特にアメリカでは、2023年12月には宮崎駿監督のアニメ映画「君たちはどう生きるか」が、北米興行収入ランキングで日本のオリジナル作品として史上初の1位を獲得(オープニング週末に約18億6300万円)するなど、アニメコンテンツの人気が高い。
アメリカでは、キアヌ・リーブスやミーガン・ザ・スタリオンなど「アニメ好き」を公言する著名人が増えていて、アニメはマイノリティな“オタク“カルチャーではなくなり、ひとつのクールなカルチャーとして受け入れられつつあるという。
ラウール・プリニCEOによると、日本と中国を抜いた(クランチロールのターゲット外のため)グローバルのアニメファンの数は、現在約7.5億人。それが数年以内には10億人に到達する見込みだ。
■なぜアニメファンが増えているのか
では、なぜ日本のアニメが世界中で支持されているのだろうか。CCOの末平アサは、米国内の風向きの変化を次のように語る。
「友人や仲間と、好きなスポーツ選手やハリウッドスター、ミュージシャンやポップアーティストについて話すのと同様に、好きなアニメについてオープンに話すようになっています。(以前までアニメといえば“オタク”だったが)アニメについて話すことはもはや恥ずかしいことではなくなっています。アニメファンであることはクールなことなんです」
こうした変化は、アメリカ以外にも広がっている。テレビでの放送に加えて、動画配信サービスという視聴の選択肢が増えたことで、世界中でアニメファンが増えているのだ。日本で2回目の開催となった今年のクランチロール・アニメアワードの授賞式にも、カナダ、イギリス、オーストラリア、インドなど様々なバックグラウンドを持つゲストが参加した。
世界では、実際にどんなアニメが好まれている?
グローバルでは、実際にどんなアニメが好まれているのか。COOのギータ・レバプラガダによると、おおよそは日本でヒットしたアニメがグローバルにも広がる傾向があるという。今年のクランチロール・アニメアワードの受賞作品を見ても、「呪術廻戦 懐玉・玉折」がアニメ・オブ・ザ・イヤー、「鬼滅の刃 刀鍛冶の里編」が最優秀アニメーション賞に選ばれるなど、日本でも人気のあるコンテンツが並んだ。
とはいえ、国や地域ごとにカルチャーの違いはある。200以上の国と地域でサービスを展開するクランチロールのビッグデータでは、エリアごとに好まれやすいジャンルもわかってきている。
「エリアごとの特性としては、例えばサッカーがテーマの『ブルーロック』はサッカーファンの多い国で人気があります。あとはインドが特徴的で、アクションアドベンチャーやラブコメが好まれていますね」(末平)
グローバル全体で共通してよく見られているのが、アクション、SF、ダークファンタジー。反対に、“学園もの”や“アイドルもの”の作品は日本のカルチャーを色濃く反映した作品が多く理解されにくいという。
その点、アイドルを扱ったアニメ「【推しの子】」のヒットは異例のことだった。同作はクランチロールでの扱いがなく同社はデータを持っていないが、主題歌「アイドル」(YOASOBI)が、米ビルボード・グローバル・チャート1位を獲得する快挙を成し遂げたことも含めて、アニメファンにとって大きなインパクトを残した作品になったことは間違いない。
「世界のアニメファンは10億人に」 クランチロール首脳陣が語る、日本アニメへの期待
https://news.yahoo.co.jp/articles/00ba54914d911ce8cdae53949e5b1cebf6888f2f
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Source: 芸能トピ