5日に放送されたラジオ『パンサー向井の#ふらっと』(TBSラジオ)で、パーソナリティを務めるパンサー・向井慧が、先日解散を発表した先輩漫才師プラス・マイナスへの思いを語っている。
この日のゲストは、元プラス・マイナスの兼光タカシ。兼光は相方だった岩橋良昌が突然X(旧Twitter)で解散を宣言し、以来ピン芸人として活動している。
「ピンになったんで、芸名つけたほうがいいんですかね」
話題はピンとしての兼光の活動についてがメインだったが、向井はトークの中で「後輩から言わせていただきたいのは、みんなプラス・マイナスさんが大好きなんですよ。全芸人が。プラス・マイナスさんがスベってるとこ見たことない」とコンビへの思いが止まらず。「勝手ながら、プラス・マイナスさんの漫才を未来で見たいと思ってます」と、その熱い気持ちを伝えた。
また、プラス・マイナスが昨年「上方漫才大賞」を受賞していることについても触れ、「上方漫才大賞というものを取ると、吉本(興行)『あなたたちはずっと漫才で食べていけます』というパスポートみたいな。大阪にあるNGKという吉本の総本山みたいな劇場で大トリを取れるような人にしか渡されない。みんなが欲しいものを取っていらっしゃる」と、その価値についてリスナーに再度説明した。
向井の言う通り、関西の漫才師にとって「上方漫才大賞」の威光は絶大である。『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)王者より格上だと言ってもいいだろう。
その価値について、過去の受賞者のコメントから振り返ってみたい。
昨年受賞したプラス・マイナスは岩橋が「全国放送の賞で決勝に進んだことがなくて、ずっと劣等感がありました」と語り、「劇場こそ全てと思って続けてきた。無冠でもこんな希望を頂ける。すごくうれしく思っています」と喜びを明かしている。
一昨年のミルクボーイは、内海崇が「漫才をしているからには絶対欲しい賞だった」「すごい師匠方が名を連ねているところに自分たちも名前を刻めた」と語り、駒場孝は「今日がスタートで、これからは漫才の大海原に出たなっていう感じです。ここからまた違うステージに上がらせてもらったという感じ」と、その思いを表現している。
2021年は、かまいたち。濱家隆一は「これからやっていく漫才をちゃんと意識して、精進していかないとだめだなと思いました」と気を引き締め、山内健司は「もっと先になると思っていました」と驚きを隠さなかった。
そのほか、13年に受賞した千鳥・大悟は「大阪にきて漫才師になって、最終的に欲しいなと思ってた賞」と語り、14年受賞の笑い飯・西田幸治は「目標にしていた賞なのでうれしいです」と言う。
歴戦の漫才師たちが目指していた場所に、プラス・マイナスは確かに立ったのだ。解散し、岩橋は吉本を退社したが、プラス・マイナスが「上方漫才大賞」を受賞したという事実が消えるわけではないし、その漫才の才能は誰も奪うことはできないはずだ。
向井でなくとも、もう一度彼らの漫才が見たいという思いは、今後も消えることはないだろう。
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Source: 芸能トピ