オンエア中、SNS上は映画制作の裏側や物語に関連した雑学などが飛び交い、大盛り上がり。ジブリファンやアニメファンがさまざまな観点から作品の魅力を紹介していた。そんな中、出演声優たちに注目し、当時のアフレコ映像を振り返りつつ、その演技力を称賛する声もあった。
ジブリ映画には、俳優や有名人など、本職以外の人も声優として参加しているが、その中で、特に演技力を評価されているのは一体誰なのか――。プロの現役声優数名に話を聞き、多く名前が挙がった4名を紹介する。
まず1人目は、前述の『千と千尋の神隠し』で湯婆婆/銭婆役を演じた夏木マリ。主人公・千尋(柊瑠美)が働く湯屋「油屋」の主で強欲な魔女・湯婆婆と、その双子の姉で心穏やかで思慮深い銭婆の一人二役を担当した。
「俳優は、声や表情、体の動きなど、全身で芝居を完成させますが、声優の芝居は『声』のみで全てを表現しなければならないため、俳優が声優としての演技をすると、どうしても『薄く』なってしまいがち。我々が、俳優の声優挑戦に違和感を抱く最大の理由は、彼ら・彼女らが、声だけで100%の演技をすることに慣れていないため、表現力が乏しくなってしまうからなんです」(現役声優A)
しかし、夏木の演技は「素晴らしかった」とA氏。
「声優としての奥行きのある芝居はもちろんですし、キャラクターごとに少々声を作って演じ分けていました。声を変えて演技をするのは、本職の声優以外にとっては難しいはず。しかし、夏木は何の違和感もなく湯婆婆と銭婆というキャラクターを作り上げていました」(同)
続いて名前が挙がったのは、1997年公開の『もののけ姫』でジコ坊を演じた小林薫。帝からの勅命でシシ神の首を狙う組織「唐傘連」のリーダー格であり、主人公・アシタカ(松田洋治)やヒロイン・サン(石田ゆり子)と敵対する役どころだ。
「夏木と同じ理由で、小林薫のジコ坊も素晴らしかった。丹精な顔立ちの小林とは似ても似つかぬ風貌のジコ坊というキャラクターを、不気味かつコミカルに作り上げていました。ほかにも『もののけ姫』に出演していた俳優は、モロ役の美輪明宏やエボシ役の田中裕子など、声の演技が上手な方が多かった印象です」(同)
『千と千尋の神隠し』で「油屋」の従業員・青蛙役や、木村拓哉の声優デビュー作としても話題を呼んだ『ハウルの動く城』(04年)で、木村演じるハウルと一心同体の火の悪魔・カルシファーを演じた我修院達也にも、高評価が集まった。
「カルシファーも良かったですが、『千と千尋の神隠し』の青蛙役は、生意気でキュートな青蛙の魅力を引き出していて非常にうまかった。声優としての芝居に彼の声はぴったりハマるし、本格的に声優仕事をしてもいいのでは? と感じるほど、非常に質の高い芝居をします」(現役声優B)
最後に名前が挙がったのは、俳優業のほか、今や声優としても大活躍中の神木隆之介。8歳という若さで『千と千尋の神隠し』の坊役を好演し声優デビューを飾った彼は、以降も『ハウルの動く城』のマルクル、『借りぐらしのアリエッティ』(10年)の翔と、ジブリ作品にたびたび出演しているが、「『ハウルの動く城』までの演技がとても良かった」(現役声優C)という。
以下略全文
サイゾーウーマン
続きを読む
Source: 芸能トピ