ビートたけしが明かす被災地への思い「“被災地に笑いを”なんて戯れ言だ」「震災のたびに芸人の無力さを感じるよ」

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1: なまえないよぉ~ 2024/01/15(月) 22:03:58.93
東日本大震災から13年が経とうという時に、再び日本を襲った能登半島地震の被害。今も被災地では多くの人が避難を続け、行方不明者の懸命な捜索活動が続いている。最新刊『ニッポンが壊れる』で日本社会の問題点を指摘している映画監督・タレントのビートたけし氏(76)が、『週刊ポスト』の取材のなかで今回の震災に関して「スマホ」が普及したことによる功罪について緊急提言した。【前後編の前編。後編を読む】

2024年は新年早々、能登半島地震のニュースに心を痛めることとなってしまったね。

元旦といえばどのチャンネルでも似通ったお笑い番組をやったり、芸能人の誰それが結婚したなんて発表があったり──そんな代わり映えのしない日常だった。こんなショッキングなことが起きたのは、オイラの人生でも記憶にないよ。

地震が起きた時、オイラは家にいたんだけど、揺れはまったく感じなかった。だからテレビのニュースを見て本当にビックリしたよ。特に津波が5メートルなんてテロップが出ていたから、どうしても10年前の東日本大震災のことがフラッシュバックした。きっとそういう人は多かったんじゃないかな。

こういう時、オイラたち「芸人」という職業は本当に無力だと感じる。今も土砂崩れのなかで行方不明になっている人がいる。普段はバラエティ番組ばかりのテレビ局も、しばらくは余震が起きればすぐに速報ニュースに切り替わるだろう。東日本大震災があった後、この「ポスト」の連載で同じような話をしたけどさ。「被災地に笑いを」なんて戯れ言だよ。

「陰謀論」に騙されないでほしい

普段通りに仕事をして、安心して眠れる場所があって、しっかりメシが食える。それが揃ってヒトは初めて心から笑えるワケでさ。オイラたちにできることがあるとしたら、それは震災が落ち着いた後だろうね。

悲しみはすぐには消えないだろうけど、それを乗り越えようって時にもしかしたら「笑い」が役に立つことがあるかもしれない。とにかく今は早くそんな日が来ることを祈ってるよ。

ただ、東日本大震災の時と少し状況が変わったと感じたのが「スマホ」の存在だ。当時はまだ、スマホを持っている人数も今より少なかったし、YouTubeやTwitter(現在はX)を見る人も若い人が多かった印象がある。それが、今やオイラだって持っているし、“生活必需品”になった。

今回の震災ではスマホがあることで家族と連絡を取り合ったりするのにプラスの面もあったと思う。それは素直に良かったと思うけど、一方でネット上ではふざけた「陰謀論」を流布するような動画がジャンジャン出回っているらしい。

一体、どんな了見で「2024年に大災害が起きると予言してた」と自慢気に語るのか。そんな不謹慎なヤツの神経は理解できないし、こうした天災を“チャンス”と捉える感覚は“壊れている”と思っちまう。最近は動画の再生回数を増やすためなら何でもヤルってヤツが多すぎるね。

オイラも最近、「たけしは◯◯と不仲で大喧嘩した」なんて根も葉もない噂を流されて困っちまった。実際は喧嘩するほど親しくないし、会ってもないんだよ。まァ、そんなのいちいち相手にしないけど、陰謀論を見た被災地の人たちがどう思うのか。その「想像力」を欠いて、自分のことしか考えてないヤツがいるってのが不安だよ。

今回の地震で改めて感じたのは、日本人はみんな能登半島の揺れを“他人事”と思っちゃダメだってことだ。いつか都内で同じことが起こるかもしれない。そうなった時、少しでも被害を減らせるように準備しなきゃいけない。そういうことも含めて、やっぱり大変な時に一番大事なのは想像力なんだよな。

【後編に続く】
https://www.news-postseven.com/archives/20240115_1934491.html?DETAIL
2024.01.15 19:00
NEWSポストセブン

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Source: 芸能トピ

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