人気ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』のキタサンブラック役などで知られる声優の矢野妃菜喜(やの・ひなき)は、22日付の自身のInstagramで仲のいい声優たちとディズニーシーを楽しんだことを報告。ディズニーを満喫している様子の写真を複数投稿したのだが、なぜか彼女たちの持っているバッグがすべてモザイク処理でぼかされていたのだ。通行人にもモザイクが入っており、そちらはプライバシーの問題だと分かるのだが、バッグまでぼかされているのは不思議だ。
他の参加者は、同じ人気声優の田中ちえ美、内田秀、 久保田未夢で、4人はアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』などで共演した間柄だが、彼女たちがSNSにアップしたディズニーシーの写真でも同様にモザイクで全員のバッグがことごとく隠されている。この理由については、ネット上で「バッグのブランドを特定し、値段を調べて文句を言ってくるファンがいるからではないか」と推測されているようだ。
若手の女性声優は「ブランド品」を身に着けているとバッシングの対象になることがあり、かつては『ウマ娘 プリティーダービー』のメジロマックイーン役などで知られる大西沙織が履いていたイチゴ柄のスニーカーが、販売価格約12万円のグッチのブランド品だと分かり、ネット上で「オタク相手に稼いだ金で」などと中傷されたことがあった。
非難されるのはハイブランド品だけではない。2017年ごろには『けいおん!』の中野梓役などで知られる竹達彩奈が着ていたキャミワンピースが約3万円だったことが判明し、一部声優ファンから「やっぱり稼いでる声優は違うね」「服に3万円もかけるなんて理解できない」といった批判的な声が飛び交った。もっとも、これについては「年ごろの女性の服が3万円って全然高くないだろ」「女性の服の相場を知らないのでは」というツッコミも多数あったのだが、その後も同じような批判が繰り返されている。
俳優・女優、アーティストなどのファンも、推しの服やバッグなどを特定することがあるが、使っているものを知りたいという気持ちや同じ物を買いたいという動機で特定していることが多い。しかし、若手女性声優のファンは特定した上で「こんな高いものを身に着けているなんて」と批判する人が少なからずいるようだ。これは若手の女性アイドルでも同じ傾向がみられる。そうした批判を避けるため、矢野たちはモザイクでバッグを隠さなくてはならなくなったのではと推察されているようだ。
このような風潮に噛みついた女性声優もいた。『僕のヒーローアカデミア』の麗日お茶子役や『五等分の花嫁』の中野四葉役などで知られる佐倉綾音は2018年のラジオ番組で、他人のファッションをマネしているのにオリジナルのように振る舞っている人がいるという話題から「勝手にブランド特定して叩くネットの奴らよりは全然よくない? たまに起こるらしいじゃん。アイドルとか、K-POPの人とか。『こいつ、こんな高いの着てるんだ』って。いいじゃん、本人が稼いだお金なんだから。叩く意味がわかんない」などと憤慨。逆に安い服だったとしても批判されるらしく、佐倉は「それで悲しんでる子を何人か見たわ。服を特定されちゃって。しかもそれが2000円とか、3000円とかの服だったんだって。そしたら、『こいつダセー』とか『安い服着やがって』みたいな」と周囲の“被害”を訴えていた。
若手の声優やアイドルのファンは「清純さ」を求める傾向が強く、それに関連して「ブランド品などの高額品を身に着けてほしくない」という願望があるのかもしれない。だが、当然ながら何を着ようとどんなバッグを持とうと人の自由。自分の思い描いていたイメージと違うからといってバッシングするのは言語道断だ。彼女たちが自由に好きなファッションを楽しみ、モザイクなどかけずに気兼ねなく写真を公開できるような風潮になってほしいものだ。
2023/10/28 10:00
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Source: 芸能トピ