NHKの稲葉延雄会長は9月27日の定例会見で、ジャニーズタレントの扱いに関して「新規の出演依頼については、被害者への補償や再発防止への取り組みが着実に行われていることが確認できるまでは行わない」と明言。これは『紅白』も例外ではないとし、ジャニーズ事務所は10月2日に新社名や被害補償の具体的方策などを会見で発表するとみられるが、その評価が芳しくなければ44年ぶりに「紅白出場ゼロ」となる見込みだ。
民放の音楽番組でも「ジャニーズ排除」とみられる動きが広がっている。先日、10月9日に放送される『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)の100回記念スペシャルの出演アーティスト第1弾が発表されたが、JO1、INI、BE:FIRST、韓国発のENHYPENといった複数のボーイズグループがキャスティングされているのに、ジャニーズ系グループは1組もいなかったのだ。第2弾で発表される可能性もあるが、同番組は毎回必ずといっていいほどジャニーズ系グループが出演してため、本来なら真っ先に発表されてもおかしくない。そのため、性加害問題を受けて「ジャニーズ外し」が始まったのではとファンがざわついている。
テレビ東京は、TOKIOの国分太一が司会を務めてきた音楽特番『テレ東音楽祭』について、冬の放送を今年はしないと発表。
それとは別に、開局60周年を来年迎えることを記念した「テレ東60祭ミュージックフェス(仮)」を11月に放送する予定だが、ジャニーズタレントの出演は「現段階では予定していない」という。テレ東はジャニーズの番組起用に関して「新規の出演依頼は極めて慎重に判断する」と民放の中で最も厳しい態度を取っているため、こちらも「ジャニーズ出演ゼロ」となる可能性が高い。
秋から年末にかけては、ほかにも嵐の櫻井翔が長年司会を務めている日本テレビ系『日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト』などの音楽特番があるはずだが、それらもどうなるかは不透明。ジャニーズタレントを広告起用していた大手企業による「CM撤退ドミノ」が相次いでいることもあり、テレビ局側はジャニーズを起用しづらい状況だ。
そんな中、テレビ朝日では9月29日放送の『ミュージックステーション』秋の3時間スペシャルにSexy Zoneが出演。同番組は長年にわたって「基本的にジャニーズ系グループが毎回最低1組は出演する」という暗黙の了解があったが、性加害問題の拡大後もそれを継続した格好になる。
また、同局ではジャニーズ事務所の新社長に就任した東山紀之が情報番組『サンデーLIVE!!』のメインキャスターを務めていたが、番組ではほとんど性加害問題を取り上げてこなかった。東山の社長就任に伴い、9月3日の放送をもって番組を降板していたことが発表されたが、降板後も性加害問題に触れず、一部では「ジャニーズ忖度を続けているのでは」との疑いの声が噴出している。
こうしたジャニーズとテレビ朝日の強い結びつきを裏付けるものとして注目されているのが、発売中の「週刊文春」(文藝春秋)が報じた「ジャニーズ劇場」計画だ。記事によると、テレビ朝日は東京・有明に通称「東京ドリームパーク」という巨大複合施設を2026年にオープンさせる予定で、その目玉として施設内にジャニーズタレントが年間約180公演を行うとされるキャパ1500人ほどの劇場が建設されるのだという。総事業費500億円に及ぶビッグプロジェクトで、ジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦が窓口を担当していると報じられている。
これが事実なら、テレビ朝日とジャニーズは「ズブズブ」の関係だといえるだろう。だから音楽番組からジャニーズを排除せず、報道番組でも“配慮”があったのでは……と想像できなくもない。言い換えれば、NHKだけでなく民放でも音楽番組などからの「排除」が始まったジャニーズにとって、テレビ朝日は頼みの綱となりそうだ。
もう劇場計画は止められないという事情があるのかもしれないが、ジャニーズに大逆風が吹いている中で関係をより強めようとしているテレビ朝日の選択は、どのように世間から受け止められるのだろうか。
『紅白』など各局音楽番組で「ジャニーズ排除」へ…頼みの綱は「ジャニーズ劇場」でズブズブのテレ朝だけ?
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Source: 芸能トピ