賛否両論『クレしん』最新作にすら敗北
「SAND LAND」の原作は、2000年に『週刊少年ジャンプ』で短期集中連載された作品。悪魔の王子ベルゼブブが、魔物のシーフ、人間の保安官ラオと組み、砂漠のどこかにある「幻の泉」を探す危険な旅に出るというストーリーだ。
今回の映画化は、そんな知る人ぞ知る“伝説の名作”を、サンライズ×神風動画×ANIMAが劇場アニメに仕立て上げるという触れ込みだった。
しかし興行通信社が発表した8月18~20日の「週末観客動員数TOP10」によると、同作は初登場6位という微妙な順位。賛否両論を呼んでいる公開3週目の『しん次元! クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~』にすら敗北している。
さらにX(旧ツイッター)上に、各地の映画館で座席が“ガラガラ”だったとのレポートが続出。《めっちゃ面白かったんだけど、何であんなガラガラなんだ…?》《公開最初の土曜にも関わらず、なぜか劇場はガラガラでした》《予想以上にガラガラでびっくりした》といった声が相次いでいる様子だ。
「『SAND LAND』の上映規模はかなり大きく、上映館数は現時点で400館以上。にもかかわらず初登場6位という結果なので、よほど集客に苦戦しているのでしょう。
8月25日からMX4Dでの上映も始まり、合計444館の公開規模になる予定ですが、今のペースでは到底採算が取れそうにありません。大ヒットを見込んでいた配給会社の関係者たちは、今ごろ頭を抱えていると思います」(映画ライター)
次なるヒットの鍵は偽アーニャ?
「ジャンプ」ファンから神のごとく崇められている鳥山明だが、ことアニメ化に関しては、ほかのジャンプレジェンドよりも勢いが劣っている。
国内の興行収入で比べてみると、井上雄彦が監督・脚本などを務めた『THE FIRST SLAM DUNK』は150億円、尾田栄一郎全面監修の『ONE PIECE FILM RED』は197億円を記録。その一方、鳥山が原作・脚本・キャラクターデザインを担当した昨年6月の劇場アニメ『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』は、国内興行収入25億円程度で終わっている。
同じ「ジャンプ」のレジェンド作家が全面監修したアニメ化作品のなかで、大きな差がついているのが現状だ。
「鳥山作品のアニメ化が社会現象クラスのヒットに恵まれないのは、やはり想定ターゲット層の狭さが原因の1つでしょう。少年、もしくは少年の心をもった大人男性がターゲットのため、どれだけ口コミがよくても限界があります。
しかも『SAND LAND』に関しては、鳥山作品マニアにしか響かないようなニッチな原作です。もし『Dr.スランプ』を映画化していれば、結果は違ったかもしれませんね。『SPY×FAMILY』人気にあやかって、“偽アーニャ”として売り出せば、ファミリー層も釣れたでしょう」(同)
鳥山作品がふたたび国民的アニメとなる日は来るのだろうか。
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Source: 芸能トピ