◆ゲーム実況・配信の配信者、視聴者に求められること
中島弁護士によると「ゲーム実況・配信は長らくメーカー側が許容、黙認をしてきた。それゆえに、許諾を得ていなくても違法なことではないと認識している人、もしくは罪の意識が薄い人が多いのではないか」とのこと。配信者側はコンテンツを使わせてもらっている立場というものを忘れずに、ゲームタイトルごとに設けられているガイドラインは必ず守るということが重要だ、と中島弁護士は話します。
違法な配信によってゲームが売れなくなれば、ゲーム市場の衰退、文化の破壊につながります。「視聴者側も『みんな見ているから』『ちょっと見るだけなら大丈夫』という考えを捨て、ガイドラインを無視した実況・配信は視聴しない、または通報するといった行動が求められる」と中島弁護士。今後のゲーム業界のためにも「官民連携で継続して啓発をしていくことが重要」だということでした。
◆ゲーム会社「意外だった逮捕劇」
次は、権利者のひとつであるゲーム会社MAGES.の取締役でありクリエイターでもある浅田誠氏に摘発の経緯とゲーム配信におけるメーカー側の見解など気になる点を聞きました。
――今回の摘発の経緯を教えてください。
浅田誠 氏(以下、浅田):以前から警察による違法アップロードや動画配信の取り締まりが行われており、ニトロプラス様が、CODA様を通じて宮城県南三陸警察署の捜査協力要請を受け、その対応をしていました。CODA様(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、著作権侵害からの保護啓発活動などを行っている団体です。それで今回、共同権利者である弊社も関わる作品がその対象になっていたためニトロプラス様と協議の上、捜査協力をさせていただくこととしました。ただその段階ではどのような対処の仕方になるかわからない部分がありましたし、連絡の経路がニトロプラス様経由だったため、事務手続きについてはニトロプラス様にお任せする形で進めておりました。後から逮捕という結果を聞いて若干、驚きました。
――驚いたというのは、逮捕には至らないと考えていたのでしょうか?
浅田:正直、ここまでの内容にはならないかもしれないと思っていました。実は弊社もそれ以前に、摘発に協力したことがあったんです。それはプレイ動画の配信ではなくゲームを一本丸ごとアップロードするという今回とは異なるケースでしたが、その時に対処の方法にもいろいろあることを知りました。例えば違法アップロードされたものを削除する方法、今回のように摘発する方法……。厳重警告と削除するだけで終了かなとも考えていただけに、この結果には若干の驚きがありましたが、本件は我々のゲーム以外のコンテンツへの権利侵害もあったため、悪質な事例であると判断されてこのような結果になったと、後に説明を聞きました。
想像以上に細かい作業の積み重ねがあり、たしかに捜査に協力するのは大変です。しかしガイドラインに違反したゲーム配信を含め、あらゆる著作権侵害を野放しにすると我々エンタメ業界は衰退してしまうので見逃せませんでした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d45bc3480951dbf7df11fb1530b96d9a092c1b87
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Source: 芸能トピ