『機動戦士ガンダム 水星の魔女(以下水星の魔女)』のインタビュー記事を巡って炎上が起きています。
「月刊ガンダムエース2023年9月」号に掲載されたインタビュー記事で、紙の雑誌と電子版で一部記述が異なっていたことが発端。紙の雑誌版では主人公スレッタとミオリネの関係について「結婚」という言葉が使用されていましたが、電子版ではその記述が削除されていました。
この記述の食い違いがSNSを中心に広がり、バンダイナムコフィルムワークスが公式サイトで謝罪を表明(>>1)。食い違いの理由は、ガンダムエース編集部の「憶測」による文面があり、校正時に修正依頼をしたものの修正が反映されなかった、修正可能な電子版のみ本来の依頼通りに配信されているとの旨を報告しています。
この対応にも多くのファンが反発しています。最終話でスレッタとミオリネがともに左手の薬指に指輪をしており、ふたりが結婚したと解釈している人も多数いました。そして、同性婚のある世界を描きながらも、それを隠そうとするかのような対応に、「クィアベイティング(性的指向の曖昧さをほのめかし、世間の注目を集める手法)」ではないかという批判が国内外から上がっている状態です。
●ジェンダー表象に特徴があった『水星の魔女』
『水星の魔女』は、戦争に格差や差別、企業による統治と搾取など多くの要素を内包しており、中でもジェンダー表象に特徴のある作品です。
本作の第1話、ガンダムによる決闘制度があり、ミオリネは父親によって決闘の勝者を花婿とすることを強いられていることが示されます。その勝者はホルダーと呼ばれ、1話の時点のホルダーであるグエルは「お前はトロフィーなんだよ」と、「トロフィーワイフ」を連想させる言葉を用いて男尊女卑的な価値観をあらわにし、ミオリネが抑圧に苦しんでいることが描かれます。
そこにスレッタが決闘に勝利し、ミオリネの花婿となることから物語が動き出します。「私、女ですけど」と戸惑うスレッタに対して「水星ってお堅いのね、こっちじゃ全然ありよ」と返答します。本作は、人が宇宙に進出した架空の未来の物語ですから、同性婚が普通になっていてもなんら驚きはありません。実際に、スレッタとミオリネの関係を不思議に思うキャラクターはいないことから、周囲の反応からも同性婚が特段驚くものではないのでしょう。
11話ではミオリネが、スレッタのおかげで色々な抑圧から逃れることができたと内心を吐露し、ふたりが親密になった矢先、戦争の理不尽さに巻き込まれていき、その後もさまざまな困難が降りかかるものの、最終話ではふたりが左手に薬指をはめて仲睦まじくしているシーンで幕を閉じます。企業の利権構造や分断・格差は解消されず、世界は多くの問題を抱えたままではあるものの、スレッタ親子とミオリネが穏やかな時間を過ごせているのが、かすかな希望として提示されているのです。
こうした描写から、スレッタとミオリネが結婚したと解釈する人が多く、自然にそう連想できる内容ではないかと考えられます。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/fd6e7618ff7e756e47e136ea30a32632935b6f71
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Source: 芸能トピ