兼近は過去、女子高生に売春の斡旋を行い売春防止法違反で逮捕されたことも報じられたが、それを本人も認めていたから「過去の犯罪歴から更生した者」として一定の応援がある。たしかに彼は現在の強盗事件と何の関わりもないはずだが、それでも反発が強まった背景には2つの重要な点がある。ひとつは、彼がお笑い芸人というより、テレビタレントとして「好感度ビジネス」を広げていたことである。
本来、お笑いタレントは漫才やコントをショービジネスとして見せていく仕事だが、近年、最も稼げる道のひとつがテレビタレントとして、多数の番組に出演し、CM契約を取ることだ。そこでCMの起用を促進させるのが世間の「好感度」だ。代表格といえるのがサンドウィッチマンの2人で、「お笑い」だけでなく、「人柄の良さ」も認知されることで不動の人気を確立している。
なにしろテレビはスポンサー企業によって成り立っているため、「面白い芸が見せられるのなら人間性は関係ない」とはならない。劇場やイベントだけで芸を見せるのではなく、テレビタレントとして生きる以上「好感度」は必要不可欠だ。
だからこそ、兼近も好感度アップに必死だった。犯罪歴の報道後、それを逆手にとり、生い立ちを基にした小説を書き、「貧困や教育格差、生きづらさを抱えた人間の成長物語」を「知ってほしい」と売り出していた。これこそ「好感度ビジネス」で、「事実でないことも入れました」ということを、自伝ではなく小説にして事実関係を曖昧にすることで上手に更生キャラだけをアピールできていた。
こうなると、女子高生に売春させたことも、計画的な1000万円の窃盗事件のメンバーだった酷い過去も、「いまは更生してます!」とネタ化できたのである。
しかし、半分ファンタジーにしておいた私小説という設定が危なくなったのが、今回「ルフィ」と呼ばれる海外拠点の広域強盗団との過去だ。あまりに社会を震撼とさせる生々しいニュースによって、兼近の過去もリアルを帯びてしまったからだ。
ある情報番組のプロデューサーも、「結果論でいえば、更生キャラを全面に出したことが、かえって失敗になった」と言っている。
「世の中には、政治家にまでなった“ヤンキー先生”(義家弘介氏)のように、悪かった過去をむしろ利用して好感度を上げる更生キャラがいますが、その悪行が、暴走族だったとかいうぐらいならボンヤリしたイメージで見過ごせても、怖い窃盗団の仲間だったなんて具体的な話は、美談化できなくなります」
兼近はこの更生キャラをとる以前のツイッターでは、まだ好感度ビジネスに舵を切っておらず「よく女の子の腕の骨へし折ってたなーてへへ」とか、プリクラ機械を何度も壊した話などをしていたことが指摘されている。
その時点では「俺は昔、ワルかったぜ」という不良自慢みたいな感覚が残っていたことが伺える。つまりは、過去の犯罪歴が発覚したから好感度ビジネスに利用した、とも見ることができてしまい、その後のキャラ作りがビジネス更生っぽく見えてしまうところが今回、大きなマイナス要因となっている。
前出のプロデューサーは、兼近が「芸人の中でも饒舌なタイプで、ロンドンブーツの淳さんみたいな、いかにもイジメっ子っぽさが漂う」ことも、批判が生まれやすい理由だと見ている。
「彼はいちいちSNSで書くことも自己弁護が強くて、一筋縄ではいかない感じがしますよね。イジメッコ特有の要領の良さみたいな。これが、口下手で不器用なボケキャラならまた違ったと思うんですよ。」
続きはソースをご覧ください
2/17(金) 12:03配信 現代ビジネス
https://news.yahoo.co.jp/articles/95ee1d99dd79e8d13ffafb2257b8f8240ceb1725
続きを読む
Source: 芸能トピ