11月23日の公開から5日間で観客動員数は17万2391人、興行収入2億2628万という“微妙な数字”で、全国340スクリーンの大規模公開だったにもかかわらず、「思ったより伸びない」と密かに呟く関係者が少なくない。ある映画関係者は、「最終興収は恐らく10億円を少し超えた程度にとどまるだろう」と筆者に漏らした。
“イヤミス(嫌な気分にさせるミステリー)の女王”と呼ばれる作家・湊かなえ氏の、100万部を超えるベストセラー小説「母性」の映画化ということで前評判が高かっただけに、配給会社も肩を落としているだろう。
「湊かなえ作品としては2010年に公開された松たか子さん主演の『告白』に続く、高評価の作品が『母性』だといわれています。『告白』は38.5億円の興収を残していますから、配給会社としてもこの数字に限りなく近い数字は期待していたようです」(映画関係者)
「ハコヅメ」で2人のペアは好評だったが…
配給会社関係者をさらに浮足立たせたのが、この映画のクランクアップ後に撮影が始まった連続ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」(日本テレビ系)の好反応だった。
21年7月期に戸田と永野のペアで放送され、連ドラ低迷期といわれているこの時代に、平均視聴率11%を超える数字を残し、いい意味でスタッフや制作陣の予想を裏切った。2人は交番勤務の先輩後輩の警察官役を演じ、息の合った小気味良い演技を披露したわけだが、実はこれは「母性」の現場で培われた2人の信頼関係によって実現したものだったという。
固定ファンが付いている湊かなえ作品が原作で、人気バディー再共演となれば、誰の目にも「母性」に“死角”は見つからなかったはずだったが……。なぜ「告白」ほど数字が伸びないのだろうか?
最大の理由は湊氏の“イヤミス”のディープ過ぎる闇に、戸田と永野が完全に“埋没”してしまっていることだ。
「『母性』のキャスティングは特に永野さんにはまだ早過ぎました。『ハコヅメ~』でどちらかと言えばコメディエンヌ的な、軽妙な新人警察官を見せられたすぐ後の『母性』では、ドラマが好評だっただけに視聴者も切り替えが追いつかない。『母性』の約2カ月前に公開された『マイ・ブロークン・マリコ』では喫煙シーンや、やさぐれ感の強い役柄も演じていますが、映画の観客やテレビの視聴者は、まだもう少し永野さんの笑顔を見ていたいと思っているのでしょう」(芸能関係者)
劇場前やSNSで「母性」の観客の声を取材すると、戸田の義母役を演じた高畑淳子(68)と実母役の大地真央(66)の、いわゆる脇役の“熱量”の高さを評価する声が多い。主演の2人を差し置いて、高畑や大地の演技に圧倒されたという観客が少なくないようだ。
これは湊かなえ作品の特徴の一つでもあるのだが、脇を固める演者の“熱量”がとにかく半端ないのだ。関係者の中には公開早々でもう既に、国内の映画賞の助演女優賞部門は高畑と大地の一騎打ちと公言する人もいるほど。日本映画に限らず、「脇役が目立ってしまう作品は興行的に成功しない」と、ショービジネスの世界ではいわれている。
永野にとって「母性」の出演はいい経験にはなったが、興行的には適役ではなかったということだろうか。戸田はさらさら気にしていないだろうが、「母性」の興行成績は“おめでた”に水を差す結果になりそうだ。
戸田恵梨香”おめでた”に水を差す映画「母性」興行成績 敗因は永野芽郁のキャスティング?
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea7c774632e0fcc4a2510afb940b22959dc8dc5e
続きを読む
Source: 芸能トピ