個性的なメイクや派手な衣装、そして耽美な歌詞や激しい音楽性など、独自の世界観を構築しているヴィジュアル系バンド。日本で生まれて日本で進化した独特のカルチャーであり、その最盛期は80~90年代だといわれている。一般的に、X JAPANやBUCK-TICK、LUNA SEAらのバンドがヴィジュアル系最盛期を支えたとされ、彼らに心酔していたミドル世代も多いはずだ。
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「自分が好きだったバンドが『ヴィジュアル系』と呼ばれてひとくくりにされていくことに、私もはじめは違和感がありました。X JAPANやBUCK-TICKは『俺たちはヴィジュアル系』とは一言も言っていませんからね。実際、ヴィジュアル系という言葉が確立し、そこにイロモノというニュアンスが加わったことでシーンから離れたファンは多い。X JAPANやBUCK-TICK、LUNA SEAの人気が出てきたあたりまでは聴いているけど、その後のヴィジュアル系バンドは追っていないという人もけっこういます」(同)
ヴィジュアル系という言葉の明確な確立時期は不明だが、1996年10月に放送を開始した音楽番組『Break Out』(テレビ朝日系)の影響は良くも悪くも大きかったという。番組ではSHAZNA、La’cryma Christi、FANATIC CRISIS、MALICE MIZERを「ヴィジュアル系四天王」と位置づけ、大プッシュ。そのおかげでヴィジュアル系バンドの存在はお茶の間にまで浸透し、新規ファン創出の呼び水となったが、彼らと“古参”との間には大きな溝ができてしまったという。
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ヴィジュアル系ブームは2000年代に入ると急速に終息し、冬の時代を迎える。その理由について、冬将軍氏は次のように語る。
「ブームの終息には複合的な要因がありますが、やはり商業化が進み、シーン全体がバブルのように膨れていたので、どこかで弾けることは必然でした。もともとみんな音楽が好きで、美学を追求した結果としてヴィジュアル系になっていたはずなのに、形から入るというか、ヴィジュアル系をやるために音楽を始めるという若者も少なくなかった。そうやってヴィジュアル系は次第に形骸化していき、同時に“音楽に自信がないからメイクをしているのでは?”という偏見も増えていきました。そして、ヴィジュアル系は蔑称と捉えられるようにもなっていった。そうした外からのマイナスイメージもシーンの衰退を招いたのではないかと。また、1997年のX JAPAN解散、1998年のhideの死去など、黎明期を支えた旗艦バンドやメンバーがシーンから去ったことも大きい。そして、2000年のLUNA SEA終幕がブーム終息のトドメになったんじゃないかと思います」
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その後、ヴィジュアル系バンドの楽曲がアニメ主題歌に起用されることが増え、ジャパニメーションブームと共に海外でも認知されていく。また、海外のフェスにヴィジュアル系バンドが参加したり、D’ERLANGER、LUNA SEA、X JAPANが復活するなど、シーンは再び盛り上がりを見せていったという。そして現在、厳しい冬の時代を過ごしたヴィジュアル系は、今や世界の「Visual kei」として開花している。
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2022.10.26
https://biz-journal.jp/2022/10/post_322019.html
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Source: 芸能トピ