朝ドラで初めて沖縄を舞台に選び、大人気となった2001年上半期放送の『ちゅらさん』(平均視聴率22.2%)は言わずもがな、決して評判が高かったとは言えない2012年の『純と愛』(同17.1%)すら超えるのは難しそうだ(視聴率はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区)。
本作は、沖縄の本土復帰50年を記念して制作され、NHKは「本土復帰からの歩みを描く、笑って泣ける朗らかな50年の物語」と謳っている。
だが、肝心の沖縄県民からは、不評の嵐だ。本誌が沖縄で取材したところ、こんな声が出てきた。たとえば、黒島結菜が演じるヒロインの比嘉暢子が頻繁に使う言葉「あきさみよー」は、驚いたときに使う沖縄の方言だが、
「『あきさみよー』を使うと、煽っているような、ケンカを売っているようなニュアンスになるので、実際にはほとんど使いませんよ。100年ぐらい前の話なら理解できますが……」(40代女性)
と否定的。ほかにも、
「暢子は東京のイタリア料理店で8年も働いている設定なのに、方言が抜けないなんてありえない。そこで東京の言葉になって『沖縄を捨てるな』と一悶着あるのが、むしろ普通でしょ」(同・30代女性)
「登場する沖縄県民の女性は半袖が多く、男性もタンクトップが多いですが、それはないでしょ。日焼けをすると疲れることを経験的に知っているから、長袖が多いです」(40代女性)
さらに不満が大きかったのは、第26話の暢子の服装だ。上京した暢子は、銀座の高級レストランにサンダル、短パン姿で入店するが……。
「銀座にサンダル(島ぞうり)を履いていくという感覚はバカにしていると思う。県内ですら、サンダルは近所を歩くときに履くもので、レストランに履いていったら、ちょっと痛いですよ。“世間知らずの田舎者” として描きたかったのかもしれませんが、ステレオタイプがひどすぎます」
「物語を壊している」と最も不評だったのは、暢子の兄で竜星涼が演じる比嘉賢秀だ。彼の口癖は「一攫千金」。何度も騙されお金を失い、家族に迷惑をかけておきながら真面目に働きもせず、ついには暢子のお金すら盗んでしまう。
「にぃにぃー(比嘉賢秀)はおかしすぎます。彼がドラマを壊している元凶じゃないでしょうか。“頭の悪さ” が度を越していますよ。トラブルメーカーとして物語を動かしたいのはわかりますが、都合がよすぎる。本土復帰前、ドル紙幣を円に交換する際に詐欺に巻き込まれるなど、“沖縄っぽい” エピソードを出すんですが、それがむしろ癪に障ります」(50代男性)
「本土復帰前の苦難など、真面目に沖縄の歴史を取り上げてくれればうれしいですが、今のところ、朝ドラに都合のいい “純真で間抜けな人たち” を使いたくて沖縄を選んだのではないかと疑ってしまう。なんとなく “上から目線” を感じてしまうんですよ。少なくとも私の周囲でこのドラマを賞賛している人はいません」(別の50代男性)
本誌が取材した限り、沖縄県民で「ちむどんどん(胸がわくわく)」している人はいなかった。今後の展開でひっくり返せるとも思えないが……。
エンタメ・アイドル 投稿日:2022.08.03 15:26FLASH編集部
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Source: 芸能トピ