「!」。感嘆符と呼ばれ、メールやLINEなど日常でも当たり前のように使う身近な記号。当然テレビ番組名でもと調べてみれば、往年のヒット番組から生まれたばかりの新番組まで続出! その使用頻度、存在感は時代が移ろうとも変わらないように見える。番組の顔とも呼べるタイトルに、なぜ「!」を入れ続けてしまうのか? 「!」が担ってきた価値と今後を、テレビ番組に関する記事を多数執筆する、ライターの前川ヤスタカが深掘りする。
「ほんの気持ちですが!」への違和感
この4月からテレビ神奈川にてアルコ&ピースの冠番組が始まった。その名も『アルコ&ピースのほんの気持ちですが!』である。
このタイトル、何かおかしいと思わなかっただろうか。
「ほんの気持ちですが」と奥ゆかしく何かを差し出すシチュエーションならば、普通は「ほんの気持ちですが……」となるはずである。それがなぜか無駄に勢いよく「ほんの気持ちですが!」と言っている。大声出しすぎてボリューム調整ができなくなった野球部員か。
このように、テレビ番組のタイトルというのは無駄に「!」を付けられがちである。
もちろん番組を制作する人は誰でも、ヒットして長く続くよう勢いをつけたいという気持ちがあるだろう。最初から尻すぼみになるタイトルを付ける必要なんてない。しかしそうだとしても「!」が多すぎないだろうか。今回はこの「!」について考えてみたい。
ドラマもバラエティも「!」が好き
日本のテレビ放送が本格的に始まって約70年。その間に無数の番組タイトルがつけられてきたが、おそらく「!」の元祖は1959年のドラマ『がんばれ!竜馬先生』(NET(現在のテレビ朝日))ではないかと思われる。
「と思われる」というのは、こんなことを調べた人は恐らく過去にいないので、地道に昔のテレビ番組タイトルをずっと追っていくしかなく、私が見た限りにおいてこれより古い「!」が確認できなかったという意味である。国産のテレビ番組でもっと古い「!」があるよという方は是非教えていただきたい(輸入ドラマの邦題などではもしかしたらあるかもしれない)。
『がんばれ!竜馬先生』は新東宝のスター・沼田曜一主演の青春ドラマで朝丘雪路なんかも出ていたようだが、ソフト化されている気配はなく、詳しい内容はわからない。もしこれが日本のテレビ番組史上初の「!」なのであれば、もう少し大事にしてあげるべきかもしれない。
そしてバラエティ番組での元祖「!」はおそらく1962年の『みんなで歌おう!』(TBS)ではないかと思われる。これは毎週金曜19時からやっていた歌謡番組で、テーマに沿った歌をプロ歌手と一般参加者が一緒に歌うというもの。それであれば「みんなで歌おう!」と力強く呼びかけるにふさわしい内容だ。
その後も坂本九の『九ちゃん!』(日本テレビ)やクレージーキャッツの『待ッテマシタ!』(フジテレビ)などの呼びかけ系「!」や『ジンタカ・パンチ!』(TBS)、『巨泉☓前武 ゲバゲバ90分!』(日本テレビ)などの番組名強調系「!」がどんどん増えていったが、この時代に始まったもう一つのパターンが添え物系「!」である。
続きはソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/b62fc453aa99035d685105ea810a691b7b1137f1
続きを読む
Source: 芸能トピ