90年代に多方面で活躍し、ギタリストとしての地位を確立した野村さん。ギタリストというと個性的なパフォーマンスや巧みなテクニックを連想しがちだが、野村さんは「ギターで個性を出そうとは思わない」という。そのわけを尋ねると、納得の答えが返ってきた。
「僕が最初に憧れたギタリストは、Charさんとイギリスのバンド、レッド・ツェッペリンで知られるジミー・ペイジで、今も2人からはたくさんの刺激をいただいています。ジミー・ペイジは、20代で世界の音楽シーンを塗り替えた天才で、それを超えようなんてとても思いませんよ。偉大な先輩方にならい、受け継ぎたいと思っています。
そもそも、ギタリストが自分のスタイルを確立したいのは、有名になりたいからだと思うんです。でも、僕はすでに名前を知っていただいているので、有名になりたいというモチベーションがない。目指すのは、“日本一のギターバカボン”かな(笑)。ギターのことなら、あいつに聞けば大丈夫と思われる存在になりたいんです。
ギターの個体差を知りたくて実際に買って弾き比べる
野村義男撮影/冨田望
いま、何本ギターを所有しているか定かじゃありませんが、仮に700本持っているとして、それは単なるコレクションではありません。たとえば、ギブソン社の1959年製レスポールはエレキギターの最高峰のひとつと言われますが、いわゆる“ドンズバ”な音のものもあれば、少し外れた音が鳴る個体もあります。1つ1つの違いを確かめるには、実際に所有して弾き比べるのが一番いいじゃないですか。
また、ギターの歴史もすごく興味があるので、1940年代のフェンダー社のギターに台帳が付いてくると聞いて、その台帳欲しさにギターを“おまけ”で購入したことも。その台帳を眺めていると、いつどこでパーツを買い付けたかが分かり、時代ごとのパーツの変遷が見えてくるんです。おもしろいですよ」
自宅ではたくさんあるパーツを組み合わせ、オリジナルのギターを制作することもあるという。これだけギター漬けの日々を過ごしていたら、他のことに関わる時間はなさそうだ。このインタビューの初めのころ、ぽろりと「ギターにしか興味がないんです」とこぼした野村さん。話を聞けば聞くほど、その真の意味が見えてきた気がした。
9/28(土) 7:02配信
双葉社 THE CHANGE
野村義男 撮影/冨田望
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Source: 芸能トピ