「前身の斉藤楽器(1969年設立)は、クラシックギターの販売を主としていましたが、1972年10月に社名をフェルナンデスに変更してから、本格的にエレキギターの販売を開始。
グレコや東海楽器とともに、1980年代~90年代にかけて日本の若者にギターを広めた功績にくわえて、国内のみならず海外でも、多くのアーティストに使用されたことで知られています。
ざっと例をあげると、
・布袋寅泰(BOOWY、COMPLEX)
・今井寿(BUCK-TICK)
・hide(X JAPAN)
・ken(L’Arc~en~Ciel)
・TAKUYA(JUDY AND MARY)
・10-FEET
・ロバート・フリップ(キング・クリムゾン)
・ジ・エッジ(U2)
・ブラッド・ギルス(ナイト・レンジャー)
・ビリー・ジョー・アームストロング(グリーン・デイ)
など、錚々たるアーティストたちに愛用されてきました。さらに、“ギターの神様” の1人とされるサンタナにいたっては、フェルナンデス製のストラトキャスター・タイプのギターを気に入り、10本まとめ買いした、という逸話もあるほどです。
そんなフェルナンデスの功績はとても一言では語り尽くせませんが、日本の職人によって細部までつくり込まれたギターは、弾きやすさ、商品開発力、アマチュアにも手に届きやすい価格設定において、大変秀でていました」
こう語るのは、専門誌『ヤング・ギター』などで執筆する音楽ライター・尾谷幸憲氏。多くのアーティストモデルを制作し、海外輸出も展開。1999年1月期には、年間売上高40億円を超えたこともあったギターメーカーの雄は、なぜ衰退してしまったのか。
「1980年代、90年代は、さまざまなアーティストモデルを安価で手に入れやすい価格で販売。さらに爆発的ヒットを記録したアンプ&スピーカー内蔵のミニギター『ZO-3』、エディ・ヴァン・ヘイレンなと多数のプロに愛用された『サスティナー』(ギターの弦の音を永続的に伸ばす装置)などのオリジナル商品を開発し、フェルナンデスは躍進していきました。
しかし、2000年前後からバンドブームが落ち着いて、ダンスミュージックのブームが到来。ヒップホップやDJなどに憧れる若者が増えたことで、若者の楽器離れ=ギター人口の減少を招いた面はあるでしょう。こうした背景もあって、同社はだんだんと苦境に立たされていったと想像できます。
そんななか、新型コロナという世界的パンデミックが発生。従来どおりの船便の往来が難しくなり、くわえて、ウクライナ戦争、アメリカと中国の貿易戦争などの影響もあって、ギターに使われる木材、電子部品に使う鉱物類など、原材料費が高騰したんです。
原材料費が上がるということは、当然、ギターの価格も上がります。かつて10~20万円以内で買えたモデルも、いまや30~50万円くらいまで上がっていたりします。
ギターが簡単に手の出せないお金のかかる趣味になってしまった今、かつてのフェルナンデスがやってきたような安価でよい製品を提供するというビジネスは成り立ちにくくなったのではないでしょうか。ギターに携わる人間の一人として、大変悔しいです」(尾谷氏)
近年、中古市場の台頭や競争激化などで業績が悪化していたフェルナンデスは、カタログ作成や新製品のリリースなどで巻き返しを目指したが、2022年1月期は売上高1億6608万円まで落ち込み、2414万円の最終赤字を計上。資金繰りが限界に達し、事業継続が困難となった。
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7/14(日) 19:02配信
SmartFLASH
布袋寅泰も愛用していたのだが…(写真・時事通信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/72ab1d29c5a024b7b379fd6b17f0138a2275d616
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Source: 芸能トピ