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テレビを観る人が減っているのはなぜか? 2020年4月、世帯視聴率に代わって個人視聴率が標準化され、同時に民放各局とスポンサーはコア視聴率(年齢層を13~49歳に絞った個人視聴率)を重視するようになったが、これが大きく影響しているのは間違いない。
現在の日本の人口は約1億2000万人で、そのうち50代以上は約5800万人。つまり2人に1人は50代以上なのだが、その世代に向けた番組はコア視聴率時代の到来で激減した。時代劇やドキュメンタリー、2時間ドラマなどである。観たい番組が減った50代以上はテレビと向き合う時間が少なくなるから、PUTは当然下がる。
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連ドラの制作費はぜんぜん増えていないから無理。1回に付き約4000万円かけられている「日曜劇場」を除き、プライム帯の連ドラの制作費は平均約3000万円しかない。
1時間程度の作品に1億円以上かけているNetflixやアマゾンプライム・ビデオとは雲泥の差と言っていい。それどころかプライム帯のドラマの中には制作費が2500万円を切る作品まで出てきた。制作費が安いドラマはすぐに分かる。カット数(場面の数)が少なく、映像に迫力を感じにくい。CGもチープでリアリティに欠ける。また、ギャラが安く済むので、お笑い芸人ら俳優以外の出演者を多く起用するから、中にはブレーキになる出演者もいて、作品全体の質を落としてしまうこともある。
選択肢が狭まったこともPUT低下を招いたと見る。いつの間にかグルメと旅、ものまね、企業対決、国内外の仰天事件簿ばかりになってしまった。世間の話題をさらう画期的な新番組の開発が望まれる。過去には日テレ「アメリカ横断ウルトラクイズ」(1977~92年、98年)、フジ「なるほど! ザ・ワールド」(1981~96年)、同「料理の鉄人」(1993~99年)など社会現象化した番組がいくつもあった。アイディアが出尽くしたということはないはずだ。
「BPO(放送倫理・番組向上機構)がテレビをつまらなくした」と言う向きもあるが、それは的外れ。「アメリカ横断ウルトラクイズ」など記録的視聴率をマークした番組で、今のBPOが問題視しそうなものはない。子供から高齢者まで多くの人が安心して観られたから、爆発的にヒットしたのである。
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https://www.dailyshincho.jp/article/2024/06230954/?all=1
6/23(日) 10:04配信
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Source: 芸能トピ