不幸な結末となってしまったが、テレビ局は原作者とのトラブルについてどう考えているのか、民放プロデューサーに聞いた。
令和のヒットメーカーも巻き込まれた
「原作者が亡くなってしまったのは残念です。ただ、ドラマを制作する際、原作モノで揉めることは珍しくはありません。原作者が自分の作品への思いが強い人であればあるほど起こりうることです。もちろんドラマの制作者や脚本家も悪意があって原作に手を加えるわけではありません。視聴率を取りたい、話題作にしたいという思いでドラマを作っているわけです。ここにボタンの掛け違いが生まれてしまう。原作者と交渉するチーフプロデューサーやプロデューサーとしては、誠意を持って対応するしかありません」
これまで揉めた例を振り返ってもらった。
22年10月期に放送された清原果耶が主演の『霊媒探偵・城塚翡翠』(日テレ)も、原作者の相沢沙呼氏が改編を許さず、それに嫌気をさして脚本家が降板、相沢氏が自ら脚本を書くことになりました。その降板した脚本家こそが、木村拓哉が主演の『グランメゾン東京』TBS)や鈴木亮平が主演の『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(同前)などを手掛け、当時すでに“令和のヒットメーカー”と呼ばれていた黒岩勉氏です。その後も福山雅治が主演の『ラストマン―全盲の捜査官―』(同前)をヒットさせ、今期は反町隆史が主演の『グレイトギフト』(テレビ朝日)が話題になっていますし、1月19日公開の映画『ゴールデンカムイ』は第1週の興行収入が1位と絶好調です」
●蒼井優の連ドラ初主演作も
結局、「霊媒探偵・城塚翡翠」は全5話で終了し、翌週からは続編の「invert 城塚翡翠 倒叙集」が全5話で放送されるという異例のドラマとなった。
「平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)は、前作が5・3%、続編が5・0%と振るいませんでした。制作陣は疲弊し、主演の清原は長台詞が覚えきれずに相当苦労していたと聞きます。原作の相沢氏は『medium 霊媒探偵城塚翡翠』で数々の賞を受賞した小説家ですが、脚本は小説とは違いますからね」
ちなみに「セクシー田中さん」の脚本は、玉木宏が主演の「鹿男あをによし」(フジテレビ)や菅田将暉の主演で映画化もされた「ミステリと言う勿れ」(同前)の大ヒットで知られる相沢友子氏だった。
【中略】
●再放送もない「海猿」
「テレビ業界で最も騒がれた原作者とのトラブルは、連ドラだけでなく4度も映画化された佐藤秀峰氏の漫画『海猿』です。最初にドラマ化したのはNHKで、国分太一の主演で02年に放送された『海猿~うみざる』(BS hi)でした。その後、04年にフジが伊藤英明の主演で映画『海猿 ウミザル』を公開し、翌年に放送された連ドラ『海猿 UMIZARU EVOLUTION』は平均視聴率13・2%を記録。映画2作目『LIMIT OF LOVE 海猿』は興収71億円の大ヒット、3作目『THE LAST MESSAGE 海猿』は80億円を突破し、12年公開の4作目『BRAVE HEARTS 海猿』も73億円とフジのドル箱コンテンツに。ところが、4作目が公開されてから3カ月後の12年10月、原作の佐藤秀峰氏が自身のTwitter(現・X)でフジとの絶縁を宣言したのです」
フジテレビさんは信頼に値しない企業であると判断したため、今後は一切新規の取引はしないことにしました。なので、例えば映画『海猿』の続編などは絶対にありません》(12年10月26日)
続きはYahooニュース デイリー新潮 2024/01/31
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Source: 芸能トピ