UP.)所属のタレントの出演がゼロとなったこととは対照的に、大泉洋、エレファントカシマシ、Perfume、福山雅治、星野源と
総勢5組のタレントが出演するのは、大手芸能事務所アミューズ。さらにサプライズ出演が取り沙汰されているサザンオールス
ターズも同事務所所属。しかし、そんな勢いに乗る事務所も実は懐事情は決して安泰ではないというのだから驚く。
「あれだけ人気者を擁している『アミューズ』でさえ、11月14日に発表された2023年4~9月の連結決算は1億6300万円の最終損
益となり話題となりました。実は今、日本の芸能プロダクションは苦戦を強いられているところが多いんですよ。時代は変わり
ました……」と、ため息をつくのは、テレビ局を筆頭に新聞、雑誌などメディアに絶大な権力を誇ってきた某芸能プロダクショ
ンの幹部。
「新型コロナウイルスの影響もありますが、それ以上に問題なのは収益が激減していることです」
その筆頭がテレビや広告の出演料で、この10年間で1~4割近くも下がったという。キー局関係者が言葉を継ぐ。
「そもそもテレビやCM……いやエンタメ業界全体の利益が激減して、業界自体が縮こまっているんです。ネットメディアの出現
によりテレビ局の広告収入が激減したことに加え、新型コロナウイルス、さらにはインスタやユーチューブなどSNSメディアの
普及で業界全体の制作費が安くなった。タレントの出演料もそれに伴って下がり続けているんです」
2019年の公取委介入で潮目が変わる
すでに今年度の中間決算で赤字が確定している民放キー局もあるが、民放各局が苦境にのみ込まれている影響で、今後もテレ
ビ局の制作費削減に拍車がかかり、いま以上にタレントのギャラが安くなる見込みだという。加えて、多くのプロダクションを
悩ませているのが所属タレントとの関係。
「最近は公正取引委員会などの介入が強くなり、昭和から続いてきた所属タレントとプロダクションの旧態依然とした関係が維
持できなくなった。日本は米ハリウッドなどとは違い99%以上のプロダクションがタレントを売れない頃から面倒を見て、ブ
レークしたら5割以上の仲介手数料を取る文化が根付いていた。しかし、2019年に公正取引委員会が当時のジャニーズ事務所に
対して、元SMAPの3人に圧力をかけていると警告書を出したあたりから、潮目が変わり、所属タレントらの権利や待遇改善を要
求する意識が高まってきた。米倉涼子や新垣結衣ら名だたるタレントが事務所を飛び出したのも、こうした風潮が背景にありま
す。すでに日本のテレビや広告業界にかつての勢いはないので、今後もこうした動きは続くでしょうね」(前出の芸能プロ幹
部)
話は続く。
「少し前なら所属タレントが事務所から独立した場合、芸能界を干されるのが半ば常識化していたが、今はそうしたあしき習慣
は許されない。タレントたちはマスメディアを蹴落としたSNSメディアに活路を見いだし、かつて隆盛を誇ったテレビほど稼げ
なくとも、マージンを取られないので、そこそこの金額を手にできることが分かった。自分で発信して、完結できる時代なんで
す」(前出の芸能プロ幹部)
いみじくもエイベックスの松浦勝人会長が自身のユーチューブチャンネルで「日本のエンタメ界について……『未来はな
い』」と語るなど混迷の時代に入ったことを示唆していた。日本の芸能界の未来は果たしてどうなるのか。
NHK紅白に多数出演「アミューズ」も赤字転落…大手芸能プロ苦境、エンタメ界に未来なし?
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Source: 芸能トピ