複数のメディアが結婚相手を写真付きで実名報道していたため、羽生さん側のプライバシーを侵害したと批判する声が上がった。また、メディア側の「報道の自由」を疑問視する声もある。
離婚発表を受け、専門家は2023年11月20日、「発表にはメディアに対する指摘があるため、メディアも報道の内容を客観的に検証するべきです」と取材に提言。プライバシーと報道の自由のバランスを考え直す必要があると指摘した。
■「無許可の取材、報道等、迷惑行為はおやめください」
23年8月4日に結婚を発表した羽生さんは11月17日、離婚を決断したとX(旧ツイッター)で発表。結婚相手や親族らに「誹謗中傷やストーカー行為、許可のない取材や報道」があったとコメントし、以下のように述べた。
「このような状況が続いていく可能性と、一時改善されたとしても再びこのような状況になってしまう可能性がある中で、これからの未来を考えたとき、お相手に幸せであってほしい、制限のない幸せでいてほしいという思いから、離婚するという決断をいたしました」
発表の最後では、「(編注:これからは)誹謗中傷や無許可の取材、報道等、迷惑行為はおやめください」とも訴えている。
こうした内容を受け、羽生さんの結婚に関するプライベートな情報を取材して報じた一部メディアの責任を問う声がSNS上で相次いだ。羽生さん側のプライバシーを考慮する必要があるといった指摘が目立ち、報道の自由を疑問視する声も上がった。
羽生さんの離婚を巡るメディアの責任を専門家はどう考えているのか。元毎日放送プロデューサーで同志社女子大教授・影山貴彦氏(メディアエンターテインメント論)は20日、「プライバシーの配慮を優先的に考えているかどうかを、日本のメディアは問い直す必要があると思います」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
「プライバシーの配慮と報道の自由という2つのバランスを取ることは非常に難しいですが、以前よりも『個人のプライバシーを守ること』が重視される時代になったと思います。一部のメディアは、プライバシーの侵害が個人の幸せを壊すことに繋がることもあると気が付かなくてはいけないと思います」
「何でも報じていいというわけではない」
影山氏は「報道は自由でなければならないし、何らかの制約を受けてはいけない」と話すとともに、メディアは「弱きを助け強きを挫く」役割が大事だと訴える。
しかし、「弱き者を挫く時に『報道の自由』を主張していませんかと問いたいです」とも疑問を投げかける。羽生さんの件のほか、ジャニーズ問題などでも「メディアに対する不信感が広がっているように感じます」と述べる。
「プライバシーの配慮と報道の自由、1人の人間としての良心で、こうしたバランスを考えなければいけない。バランスのウェイトは昭和から令和にかけて変わりつつあるので、報道の自由はもちろん重要だけれども、何でも報じていいというわけではないですよね」
離婚発表では、誹謗中傷や無許可の取材・報道に注意喚起している。影山氏は「メディアに対する指摘があるため、メディアも報道の内容を客観的に検証するべきです」と提言。現状では、羽生さんの報道に対する検証を確認できていないと話す。
こうした検証がメディアに対する不信感を回復させることに繋がるという。「反省すべき点は反省したり、報道の意図とは違った形で受け手に受け止められたと明らかにしたりするなど、検証すべきだと思います」と説明した。
羽生結弦離婚でマスコミに「プライバシー侵害」批判相次ぐ 「報道内容を検証すべき」専門家も提言
https://news.yahoo.co.jp/articles/0fec853a31274d407d6ead2173a2541397e65355?page=1
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Source: 芸能トピ