これで幕引きとしたい宝塚歌劇団と、改めて調査を要求する遺族側の代理人弁護士の間の温度差が際立った一連の対応に、もやもやを感じた人が多かったようです。
この件に関しては各種メディアで詳しく報道をしています。それらの報道からもやもやのポイントを挙げさせていただくと、以下の論点が世間をざわつかせているようです。
外部調査といっても、1つの弁護士事務所の9人の弁護士が報告書に携わっている状況は第三者調査とは言いがたい
・ 被害者の証言が報告書で取り上げられていない
・ ヘアアイロンのやけどについて「(通常の使用で)よくあること」と論点をすり替えている
・ 66人の宙組生のうち4人が聞き取りを拒否している
■これで宝塚問題は幕引き?
この問題は、世間を騒がせた時期がジャニーズ事務所と同じタイミングだったので、対応の違いを感じる方も多かったはずです。
ジャニーズの場合は事務所が完敗し、所属タレントは苦境に立たされています。
一方の宝塚問題は、場合によってはこれで幕引きとなりそうです。この違いはいったい何なのでしょうか?
この記事では事件の中身ではなく、会見からもやもやがなぜ生まれるのかについて考察したいと思います。
2つの問題で後味の違いを生んだ最大の原因は、両社のビジネスモデルの違いにあります。ジャニーズ事務所のビジネスモデルは、テレビ局など大手メディアを使って所属タレントを売り出し
国内の大手スポンサーのCMに出演し、それらの露出を通じて人気タレントが育つビジネスモデルになっています。メディアとスポンサーの力を借りないと新人タレントはスターになれない。これが基本的なメカニズムです。
一方の宝塚歌劇団は、ビジネスモデルが自己完結しています。学校に所属した生徒たちを独自のカリキュラムで育成し、劇団に所属させることでスターが生まれます。卒業までは宝塚というハコの中で活動し、宝塚歌劇団に利益をもたらす。これが基本的なビジネスモデルです。
●ガバナンスがジャニーズを変えた
2つの問題が違う展開を見せた最大の理由は、ビジネスモデルにあります。
ジャニーズの場合、大手スポンサーや大手メディアが一斉に見放したことで問題が深刻化したわけですが、一方の宝塚歌劇団は似た外圧がほぼ起きない構造にあります。
【中略】
ジャニーズ問題でメディアやスポンサーが手のひらを返した最大の理由が、その多くが上場企業であり、ガバナンスルールに抗うことができないという事情にあります。
人権を踏みにじるような愚行は、グローバルなビジネスをする企業体として容認できないという事情が、ジャニーズ問題について当初は予想しなかったような展開を生んだわけです。
一方の宝塚歌劇団は、ジャニーズよりも歌舞伎や大相撲と同質の構造です。
宝塚歌劇団の親会社は阪急グループという大企業ですし、NHKでも中継されています。
その点は上場企業の松竹と縁が深い歌舞伎界も同じで、親会社はないけれどもNHKに依存しているという点では、大相撲にも何らかの監視装置は付いています。
要するに監視装置はあれど、ビジネスとしては完結していて、外圧に関係なく成立するというのがこの3つの事業体の共通構造です。
続きはYahooニュース 東洋経済オンライン 2023/11/16
https://news.yahoo.co.jp/articles/c348f384a6298d5ddaf849751f78a12d5950461c
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Source: 芸能トピ