■元NHK解説委員・鈴木祐司氏が寄稿
創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題で、スポンサー離れが急加速するジャニーズ事務所。これまでテレビ局にとって高視聴率を生み出す〝頼みの綱〟だったタレント人気にも変化が表れ始めていることが分かった。元NHK解説委員でメディアアナリストの鈴木祐司氏が分析・寄稿した。
9月7日の会見以降、広告主は所属タレントの広告契約見直しを次々に発表した。一方、テレビ局は「新規の出演依頼は極めて慎重に判断」と踏み込んだテレビ東京を除くと、おおむね「従来通りの出演」を続ける方向だ。後は10月2日に事務所がどんな新体制を発表するかが注目されている。
ジャニーズの今後については、視聴者の動向も重要な要素だ。この間、そこにスポットが当たることがほとんどなかったが、実はジャニーズが出演する主な番組の視聴率を追うと視聴者の厳しい受け止め方が浮かび上がる。
グラフは所属タレントの位置づけが大きい番組について、7月から会見までの平均と会見後でどう変化したかを、特定層の視聴率まで測定しているスイッチメディアの関東地区データで指数化したものだ。
これで見ると個人視聴率が下がっていないのは2番組のみ。そのうちHey! Say! JUMPの「いただきハイジャンプ」(フジテレビ系土曜午前)は、10~20代女性の数字も下がっていない。一方「それSnowManにやらせて下さい」(TBS系金曜夜)は、若年女性で微減となった。
統計の誤差を考慮すると、この2番組は合格点だ。ところが他9番組は、本来ならファンが多いはずの若年女性からかなり見放されているといえる。長年リハーサル室の使い方が適切だったのかを問われているNHK「ザ少年倶楽部」(週末深夜の再放送)は個人全体も若年女性も1~2割落ちているし、「#裸の少年」(テレビ朝日系土曜夕)に至っては若年女性で半減以下まで下落した。櫻井翔がキャスターの「news zero」(日本テレビ系月曜夜)や、城島茂の「週刊ニュースリーダー」(テレ朝系土曜朝)も若年女性で大きく痛んでいる。
一部の熱烈なファンは、所属タレントには罪がないとSNSで発信する。ただし、これらはラウドマイノリティーで、圧倒的多数のサイレントマジョリティーは〝ジャニーズ離れ〟を始めているのだ。視聴率が雪崩を打つように下がり始めた以上、事務所の名称変更や株式を含めた体制の抜本的見直しはもはや避けられない。
さらにジャニーズ事務所と不適切な関係を続けてきたテレビ局も出演番組を一度リセットする必要がある。一日も早く放送が真っ当になることを願ってやまない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4cd71df967e3072de4ae650ae905e36b910be74a
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Source: 芸能トピ