世間の注目度とメディアの扱い方が必ずしも一致するとは限らないが、この日会場に詰め掛けたメディアは200社を超えた。ムービーと呼ばれるテレビカメラの数は50近くあり、海外の有名メディアも何社か出席していて、この問題に対する注目度の高さがうかがえた。
これまでのジャニーズの会見と言えば広報担当で“ジャニーズ事務所の番頭さん”と言われていたS氏が必ず会場にいたものだが、今回はその姿がない。会見でもその件について指摘されたが、東山新社長いわく、すでに退任しているからだという。
S氏が関わっていたころは、会見はジャニーズ事務所との関係が良好ではないメディアは”出禁”になることもあった。しかし、今回は希望したメディアはすべて出席できているようだった。またこのような会見ではテレビ局の芸能デスクと呼ばれる人たちが現場を仕切ることが多いのだが、それもなく、事務所のスタッフも誰一人表に出てこない。受付から誘導、司会進行まですべてPR会社が仕切っていたのだった。
この会社が芸能関係の会見についてどれだけ経験があるのかわからないが、スチールカメラマンの撮影位置について主催者側とカメラマンとの間でひと悶着あっただけでなく、会見が始まってからも司会の女性に対して記者からクレームがつくなど、会場会見はピリピリした空気に包まれていた。
「全員の質問に答えるというなら、挙手した記者を司会者が選んで指名するのではなく、前列端から順番にマイクを渡させればいいのだと思いますけどね。質問が済んだら隣の人にという風に。質問がない人は飛ばせばいいだけですから。いつもそうしてますけどね。芸能関係の会見を担当したことがないんだろうと思いました」(テレビ局記者)
「海外でも大きく報道され、この問題が注目されています。『ジャパンラグビーアンバサダー2023』に選ばれた『嵐』の桜井翔さんはW杯開催地フランスの新聞で非難されています。そんな会社と付き合いがあるというだけで、海外からも非難を浴びる可能性は大いにあります。海外に進出しているグローバル企業と呼ばれる大手企業は今後ジャニーズと距離を置くようになるでしょう」(大手広告代理店社員)
紅白歌合戦にジャニーズタレントは出場できるのか
具体的には自社の広告にジャニーズタレントを起用しなくなるということが考えられるのだが、それによってテレビ局も大きな影響を受けることになる。
「番組にジャニーズタレントを出演させることに番組スポンサーがOKしなくなる。逆にジャニーズタレントを出演させている番組にスポンサーが付かなくなる恐れがあります」(前出・広告代理店社員)
今後も関係を継続すると発表したテレビ局もあったが、果たしてどうなることか。そしてスポンサーとの関わりのないNHKがコメントを発表している。その中で、
《ジャニーズ事務所に所属するタレントの起用についても見直すべきだとのご指摘を受けています。NHKでは、出演者の起用については、番組の内容や演出に合わせて、ふさわしい人を選定してきましたが、今後は、所属事務所の人権を尊重する姿勢なども考慮して、出演者の起用を検討したいと考えております》
とある。
NHKサイドは否定しているが、紅白歌合戦において『ジャニーズ枠』があると言われてきた。コメントにあるように今後出演者の起用を検討するとなれば、最も注目されるのが紅白だ。
キー局のプロデューサーによれば、
「紅白は1度出場がなくなると、大ヒット曲を出すなどして話題にならないと復帰は難しいと言われています。ジャニーズも出場ゼロにしてしまったら、次回から出られなくなる可能性大です。事務所としたら何とか阻止したいでしょうね。片やNHKにしたら視聴率は“ジャニーズ頼み”であるのはよくわかっている。ですが今のままでは世間の非難をかわすことはできないでしょう。苦渋の選択を迫られることになります。
『紅白は』まだ先の話なので今のところ社内で話し合われているといったことはないといいます。さすがに完全に出演を取りやめることもなさそうなので、世論を受けて“最小限”にとどめるかたちになるというのが現実的なところではないでしょうか」
『ジャニー喜多川の性加害』が芸能界の因習を打破するきっかけになるのか──。
ジャニーズは『紅白歌合戦』に出場できるのか、視聴率はジャニ頼りで迫られる「苦渋の選択」
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Source: 芸能トピ