早くも失速の気配が漂う新作アニメ
新アニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』は、フジテレビ「ノイタミナ」ほかで放送中。かつて制作された旧アニメからスタッフやキャストを一新し、原作者の和月伸宏が自らシナリオやキャラクターデザインを監修している。
ところがそれだけ力の入った企画にもかかわらず、今のところ視聴者の食いつきは芳しくない。現在4話までが放送されているが、ブームを呼ぶどころか、回を追うごとに注目度が下がっている印象だ。
各エピソードの放送後、アニメのX(旧ツイッター)アカウントでは、Netflixなどの動画プラットフォームでの配信開始を告知している。その投稿に反応する人の数を比べてみると、第1話こそ300件を超えるリツイートがあったが、2話と3話は100件を超える程度で、その数は徐々に下がっている。
またYouTubeで公開されている各話のWeb予告も、軒並み10万再生に達していない。
公開日が近いほど数字が下がるのは当然ではあるものの、激しく右肩下がりになっているようにも見えてしまう。とくに放送前のPVが100万再生を超えていたことを踏まえると、やはりファンの熱気が弱まっているのかもしれない。
再アニメ化の成功を左右するのは?
失速の原因はいろいろと指摘されているが、旧アニメのファンを魅了できなかったことは大きく影響しているだろう。
旧アニメは絶大な人気を誇っていたため、その思い出を上回るためには、大きな衝撃を与えることが必要不可欠。しかし今のところ新作「るろうに剣心」は、無難にクオリティを上げた再アニメ化にとどまっている。
過去に成功した再アニメの企画といえば、2020年から放送された『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』が挙げられる。旧作より作画がよくなっただけでなく、原作を補完するアニメオリジナル演出などを盛り込み、「原作を超えた」と評判を呼んだほどだ。
また、スタッフの異常なほどの情熱が込められた『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズも、同じ成功パターンと言えるだろう。
それに対して『HUNTER×HUNTER』や『シャーマンキング』などは、無難なクオリティで再アニメ化された結果、それほど話題にならずに終了。すでに知名度のある作品を再アニメ化する場合、“原作超え”を達成しなければ、口コミで人気を爆発させることは難しそうだ。
新作「るろうに剣心」は、現時点では原作通りでしかないクオリティ。せめて原作者による大胆なオリジナル展開でもあれば、風向きが変わっていたかもしれない。
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Source: 芸能トピ