俳優として順調に歩んできましたが、70歳で突然、4期の中咽頭がんが見つかって治療の末生還、75歳の時には持病の慢性腎炎が悪化し、長女がドナーとなって腎臓移植を受けました。「家族のおかげで生きている」という村野さんに病気体験について聞きました。(聞き手・渡辺勝敏)
――のどの中咽頭がんが見つかったのは2015年、70歳の時でしたね。
居酒屋にいて左の首筋を触れた時に小豆大のしこりに気付いたんですよ。近くの病院に行ったら、「風邪でしょうから、しばらく様子を見ましょう」と言われました。でも、風邪の症状はない。おかしい。それで、かかりつけの医師のところに行くと、しこりを触って、「大きな病院で精密検査を受けた方がいい」と紹介状をもらいました。結局、4,5か所の病院を回ることになったんですが、CTやMRI、それに全身のがんを調べるPETとかいろいろな検査を受けました。
最終的な結果は、「舌の付け根に原発したがんで、リンパ節への転移が3、4か所。首筋のしこりも転移です。ステージ4の中咽頭がん」という説明でした。「余命はどれくらいですか」と質問すると、「聞かない方がいいですよ」って言われて、ああ、4期だし、俺の余命は2、3か月なのかもしれないなぁと思いました。
――突然、進行したがんの告知とはショックでしたね。
治療の説明も大変な話ばかりでした。放射線治療と抗がん剤治療をやるので、のどが痛くて食べられなくなるから、胃に穴をあけてそこから栄養を取れるようにする。抗がん剤で髪の毛が抜け、口内炎や味覚障害が出て、体重は10キロ以上減る。説明を聞きながら、治療を受けても、もう終わりなんだなって思いました。でも、痛くもかゆくもないし、ピンピンしているから実感はないんです。あきらめが早いって言うのか、考えてもしょうがないから、うちに帰って、いつもと同じように普通に寝てしまいました。そうしたら深夜に女房に起こされたんですよ。
病院を変え、妻がネットで調べた陽子線治療を受けた
――がんの告知を受けた夜にいつも通りに寝るというのは、冷静に受け止めることができたということでしょうか。どうして奥様に起こされたんですか。
「いろいろ調べてみたけど、陽子線治療というのがあって、それでよくなった人の体験談を読んでみた。ダメでもともとでいいから、福島県にある病院に行ってみよう」って言い出したんです。私は病院で医者に言われたことは絶対だと思っていましたから、ほかの病院を受診することなんて全く考えませんでした。それでも女房に背中を押されて、3か所の病院でそれまでの検査資料を出してもらって、1週間後に福島県の郡山へ行きました。治療は難しいと言われるんじゃないかと思って、女房と二人、ドキドキしながら受診したんですが、「うちで治療できますよ」と言われてほっとしましたね。
2か月半の入院、治療は全くつらくなかった
――陽子線は放射線治療の一種。がん病巣に集中し周辺組織への影響が少ない治療法で、基本的には保険適用外の治療ですね。実際に受けたのはどのような治療でしたか。
陽子線治療自体は休みの日を除く毎日です。1回10分ぐらいでしょうか。抗がん剤治療は、動注と言って、カテーテルを入れてピンポイントでがんを狙う治療でした。前の病院では、治療に伴う副作用をさんざん聞かされましたが、陽子線も抗がん剤治療も全然つらくはありませんでした。私の場合は、病院が遠方なので、2か月半入院しましたが、近くの人は日帰りで治療を受けに来ていましたよ。食事は普通に食べてテレビを見たり、本を読んだりして過ごしました。
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[村野武範さん]70歳で4期の中咽頭がん 長女からは腎臓もらう…「家族のおかげで生きている」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b16fc5dce6363350a589b80b325118a2e028484
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Source: 芸能トピ