「8年ぶりとなるX JAPANの新曲『Angel』が7月28日にリリース」。声に力を込めた司会者の発表に、会場からは「おぉー!」という歓声とともに拍手が巻き起こった。だが、当事者である彼の表情は一瞬、口角を上げたものの、どこか浮かないように見えた。
5月16日、X JAPANのYOSHIKIが米ロサンゼルスのグラミー・ミュージアムで記者会見を開き、X JAPANとしてニューシングルをリリースすると発表。同バンドのシングル発売は、2015年11月の『BORN TO BE FREE』以来となる。
X JAPANは2018年9月に幕張メッセで開催したライブ以降バンドとして表立った活動はなく、YOSHIKIの電撃発表に「再始動か」との声も上がった。
だが、この新曲リリースはさまざまな問題をはらんでいた。再始動はおろか、空中分解を招きかねないリスクさえも──。
もっともこの新曲は、純粋な“新曲”ではないという。
「もともとYOSHIKIさん2005年頃に制作した曲で、2015年12月1日に横浜アリーナで行われたX JAPANのライブでも披露されました。落ち着いた曲調のバラードで、YOSHIKIさんのピアノソロに合わせて、ボーカルのToshlさん(57才)が透き通った高音を響かせた。ライブ会場で涙を流したファンもいて、当時からCD化を望む声が大きい曲でした」(音楽関係者)
X JAPANは幼なじみのYOSHIKIとToshlが結成したバンドで、1989年にメジャーデビューすると瞬く間に大ブレークを果たした。しかし人気絶頂だった1997年にToshlが洗脳騒動で脱退すると、YOSHIKIは「代わりのボーカルがいない」との理由で解散を選択。その後、Toshlが復帰した10年後の2007年に再結成して活動を続けたが、2018年以降は表立った活動を行っていない。理由は特殊な契約形態にある。
「X JAPANは、メンバーが個々にYOSHIKIさんが統括する音楽出版社と契約する、異例の形をとっています。活動を続けるなかで、ギャランティーの未払いなどのトラブルが頻発していました。YOSHIKIさんとメンバーとの間で何度も話し合いが行われたのですが、改善されず。“このままだと歌えない”として、Toshlさんは2017年を最後に契約を更新していません。2018年以降バンド活動がないのは、契約上の理由からです」(前出・音楽関係者)
その状況は、いまも変わっていないという。バンドとしてライブもレコーディングもできない状況にある。では、新曲のリリースはどうなるのか。
「実は『Angel』は2014年頃にロサンゼルスのスタジオで、レコーディングを済ませているんです。YOSHIKIさんのリクエストにメンバーが応え、意見を出し合って完成させました。当時の音源をリリースするか、もしくはアレンジを加えて発表する可能性はあります」(前出・音楽関係者)
一方で、ファンが望まない“残念なケース”を予想する関係者もいる。
ニューリリースを発表した記者会見で、YOSHIKIは自身のピアノによる『Angel』のショートバージョンを披露した。その際にボーカルを務めたのは、Toshlではなくフィリピン出身の女性シンガー・Beverly(28才)だった。
2018年にYOSHIKIは人気アニメ『進撃の巨人 season3』の主題歌『Red Swan』を担当したのだが、Toshlとの契約が未更新のため、ボーカルにL’Arc~en~Cielのhyde(54才)を起用。『X JAPAN feat.HYDE』という名でのリリースを試みたが、ファンから批判が殺到したことで急遽『YOSHIKI feat.HYDE』に改めた過去がある。
「今回も、まずは『X JAPAN』を冠にしてBeverlyさんをフィーチャリングした形でのリリースを検討している可能性があります。2018年同様に批判の声が上がるのは必至ですが、YOSHIKIさんが置かれた現状を見ると“ない”とは言い切れません」(芸能関係者)
昨年11月、YOSHIKIは“日本から世界を目指す”との目標を掲げ、HYDEらと4人組バンド『THE LAST ROCKSTARS』を結成した。
しかし、世界同時配信されたファーストシングルの売り上げは伸び悩み、今年1月から2月にかけて行われた日本とアメリカのツアーも会場には空席が目立ったという。
※以下リンク先で
※女性セブン2023年6月8日号
2023.05.26 07:00
https://www.news-postseven.com/archives/20230526_1872595.html?DETAIL
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Source: 芸能トピ