2023年05月20日
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/05201100/?all=1
宝塚と同じくブランド化に成功
「東宝シンデレラ」オーディションの開催は不定期。3年から6年に一度しか行われない。1984年の第1回から38年が過ぎた昨年はまだ第9回。それなのに出身者たちの存在感が際立つ。
白山乃愛はグランプリ獲得から半年しか過ぎてないのに「Dr.チョコレート」の準主演である天才外科医・寺島唯を演じている。無論、これがデビュー作だ。
白山は小学5年生。グランプリ受賞時は10歳3カ月の小4だった。にもかかわらず、子役にありがちな棒読み感のあるセリフや過剰演技がなく、堂に入った芝居を見せている。このオーディションで頂点に立つ者は最初から別格なのかも知れない。
白山は最年少のグランプリ受賞者。これまでの記録保持者は上白石萌歌(23)で、第7回(2011年)の受賞時に10歳10カ月の小5だった。
その萌歌は現在、「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」(TBS系)にヒロイン・畑野紗枝役で出演中。春ドラマ「警視庁アウトサイダー」(テレビ朝日系)にもヒロインの刑事・水木直央役で出演しており、連投となる。演技力が高く評価されているから引く手あまただ。
同じ第7回でニュージェネレーション賞を得た浜辺美波(22)は、NHK連続テレビ小説「らんまん」にやはりヒロインの西村寿恵子役で登場している。この人の好感度と人気度の高さは知られている通りである。
女優のオーディションはほかにも数多くある。それなのに、東宝「シンデレラ」オーディション出身者に売れっ子が集まっているのはどうしてなのか。
まず、このオーディションの主催者は「阪急阪神東宝グループ」の東宝と系列芸能事務所の東宝芸能。大資本によって運営されている安心感があるから、応募者を広く集めやすいだろう。
それより大きいのが、やはり同グループに属する宝塚歌劇団と同じく、オーディションがブランド化していること。第一線で活躍する女優が多い上、彼女たちのイメージが宝塚のモットーである「清く正しく美しく」と重なることから、高級銘柄のようになっている。応募者には魅力であるはずだ。
このブランドを守るための努力がオーディションの主催側によって行われている。保護者がしっかりしているかどうかも厳にチェックすることで知られているし、本人を見る審査期間も驚くほど長い。昨年の第9回は10月までの7カ月以上にわたって行われた。
オーディションとしては異例の合宿審査まで行っている。寝泊まりが伴う審査を行うことで、本人の才能や資質を見極めるのみならず、人柄も浮かび上がらせるのだろう。ルックスに恵まれ、演技力があるだけでは合格はおぼつかないようだ。
次ページ:少女たちの成人後の姿を読み通す
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/05201100/?all=1&page=2
続きを読む
Source: 芸能トピ