■「自分だって言われてるもん。何やったってキムタクだって」
木村さんの演技に対するこうした評価は、以前から散見されている。過去のツイートを調べると、08年にはすでに、「キムタクはキムタク役しか出来ないコレは定説」という投稿があった。
以降、13年10月期放送の「安堂ロイド」や、19年10月期の「グランメゾン東京」など、木村さんがドラマの主演を務めるたびに、そうしたツイートは一定数上がっている。「教場0」の放送が始まった23年4月以降も同様だ。
このような声は木村さんにも届いているようで、19年1月に放送された「モニタリング」(TBS系)の新春スペシャルでは、俳優を引退しようと悩んでいると相談してきた仕掛け人の勝地涼さんに対し、木村さんは思いとどまるよう説得したが、その際、「自分だって言われてるもん。何やったってキムタクだって」と語っていた。
では、「キムタクはキムタク役しか出来ない」といった評価を、役者に詳しい人間はどう見ているのか。編集部は放送コラムニストとして知られる高堀冬彦氏に見解を聞いた。
「1つのキャラでやるほうが凄いとも言えます」
高堀氏は、「キムタクはキムタク役しかできない」というのは、若いころに確立された本人らしさを前面に出した1つのキャラクターしか演じられなかった、もしくは、演じる機会がなかったということだと指摘しつつ、
「ただし、それは悪いことではなく、俳優の方の中には『それで観客(視聴者)を満足させられたら、本物』という人もいます。高倉健さん、渥美清さん、丹波哲郎さん、田村正和さんも何をやっても一緒でした」
と、往年の名優を例に取りつつ、演技の在り方として決して特異ではないと解説。さらに、
「いわゆるカメレオン俳優が讃えられる風潮がありますが、1つのキャラでやるほうが凄いとも言えます」
とも指摘した。
「名優には2通りあります」
また、高堀氏は「極道の妻たち」シリーズで知られる中島貞夫監督から聞いた話だとしつつ、名優と呼ばれる役者には2種類のパターンがあると指摘する。
「名優には2通りあります。あえて1つのキャラクタ―しかやらず、それに合った役柄を選ぶタイプです。たとえば晩年の高倉さんには高齢者役が来ていたのですが、高倉さんは断り、最後までキャラクターを守りました。もう1つが、どんな役柄でも演じられるタイプです。これは、劇団出身者が多いのですが、理由があります。劇団は俳優の数が限られているため、若いうちから高齢者役をやったり、年を取ってからも若者役をやるからです。なんでも出来ないと、劇団ではやっていけません」
ネット上では、放送中の「教場0」に関しては、「キムタクはどの役を演じてもキムタク節でキムタク役に見えてしまうんだけど教場のキムタクに関しては冷酷で怖くて張り詰めた緊迫感が漂ってて教場のキムタクはいい」といった声も上がっていた。
そうした声が上がっていることについて高堀氏は、理由の1つとして本人が50歳を迎え、これまでの「キムタク像」にこだわらなくなったということではないかと指摘した。
5/7(日) 14:00配信
J-CASTニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea3494d6dd7671c9aa14475b4c6c72256d23d884?page=1
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Source: 芸能トピ