本作は、前述した通り80年代の日本カルチャーを代表する作品だ。名作は時代を超える力を持っているとはいえ、当時の日本社会の空気感を如実に反映した作風でもある。80年代の日本社会は、高度経済成長期の恩恵を受けて絶好調だった。日本製の製品が外国で飛ぶように売れ、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉が流行し、日本の行く末について楽観的な時代だったのだ。
本作の豪快な勢いと何でもありな作風は、そういう時代だからこそ一世風靡したという側面があるだろう。
ひるがえって2022年の日本は、80年代とは対照的だ。人口は減少し経済力も落ち込み、日本の将来について明るい展望が描くのは難しい。そんな時代に、本作のはちゃめちゃなキャラクターはどう受け止められるのだろう。
しかし、そんな時代だからこそ『うる星やつら』の異様なエネルギーは輝くかもしれない。
フジテレビの尾崎紀子チーフプロデューサーは、令和の時代に本作を再びアニメ化する意義について、「地球規模の巻き込まれ案刑でも楽観的に受け止め、度が過ぎて痛い目にあってもめげないタフさ、不条理をものともしない精神力。降りかかった災難も好機も全力で味わい尽くす彼らのエネルギーを受け取ってほしい」と語っている。(>>>1)
たしかに、本作には令和の日本に一番足りないエネルギーが充満している。何が起きても生き生きとしているキャラクターたちに励まされることも多々あるかもしれない。
何でもありだったがゆえに、どんなとんでもないことが起きても動じない。その驚異的な生命力は、新しい世代の視聴者にとって新鮮なはずだ。ハチャメチャでパワフルな彼らの姿に、ぜひとも衝撃を受けてほしい。(文:杉本穂高)
アニメ『うる星やつら』は、10月13日よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて毎週木曜24時55分放送。
昭和から令和へ…『うる星やつら』P語る再アニメ化の真意「現在の常識では通用しない行動から力を受け取ってほしい」ORICON NEWS
10/13(木) 7:00配信
クランクイン!
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Source: 芸能トピ