中略
これは間違いなく感動作。大ヒットして原作者の私にも取材が殺到するにちがいない。カンヌ映画祭も夢ではなく、これは忙しくなるぞ、などと身構えていたのだが、全国封切りからわずか数週間で上映は打ち切られていた。特に取材の依頼もなく、気がつくと上映終了。あっという間に終わってしまったのだ。
なんで?
単に観客が不入りだったことが原因のようなのだが、それにしても判断が早すぎやしないだろうか。そういえば当初からSNS上では「観客少な」「2人しかいない」「大コケ」などと書き込まれていた。感想を読んでみると「コメディなのかシリアスドラマなのかよくわからない」「見どころはどこ?」「何が言いたいのかよくわからない」「メッセージを受け取りにくい」「共感できるポイントがない、お客さんもいないし」などと書かれており、もしかするとこれはノンジャンルで反応に困る映画なのかもしれない。
出演した綾瀬はるかさんでさえ「あんまり観たことのない作品で、じわーっと後からあーっと思い出すような映画」(公開直前イベント)と吐露していたくらいで、ストーリーではなく映像体験自体が「記憶と再生の物語」になっており、すぐさまコメントできない。昨今はコメントできないということを自分ではなく映画のせいにする傾向があり、早々に「誰も観ていない、つまらない映画」として片付けられてしまったようなのである。
ちょっと、待ってください。
私はそう訴えたい。原作者として言わせていただくと、この映画は観客にこう問いかけている。
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ノンフィクション作家 高橋秀実
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Source: 芸能トピ