朝ドラ『おむすび』は、朝ドラらしいドラマで、私は好きである。
ずっと気になっているのが祖父(松平健)のホラである。
昭和らしいホラが吹かれている。
ホラ吹きは太古の昔からいるわけで、時代とは関係ないけど、扱うネタが絶妙に昭和風景なのだ。
じっちゃんが吹いた昭和のホラは以下のものである。
こういうことを自分がやったと主張している(年はこちらで補足した)。
昭和37年、王貞治に一本足打法を教えた
昭和40年代に、引田天功マジックのアシスタントをしていた
昭和47年、あさま山荘の鉄球のついたクレーンを用意した
昭和49年、引退試合に遅刻しそうになったナガシマさんを後楽園までトラックで運んだ
昭和50年公開の『トラック野郎』のモデルであった
昭和51年、猪木に寝転がってアリと戦えと教えた
とりあえず印象に残ったホラを並べるとこうなる。
絶妙に昭和らしいイベントが並んでいる。
私は、王貞治が二本足から一本足に代えた瞬間だけは見ていないが、それ以外は見ている。引田天功といえばふつうに初代をおもいだす世代である。
これらをリアルに見ていた世代から言えば、このセレクトがすでに嘘くさい。
すべて現場で見ていた、というだけで十分に嘘つきなのに、それにすべて関わっていたというのは嘘のレベルが違う。
つまり、あまりいいホラとは言えない。
ホラ吹きとしての永吉さん(松平健)のキャラ設定よりも、「昭和らしい出来事」を並べたらおもしろいのじゃないかという意図が先に見えてしまって、いろいろ残念である。
永吉さんのホラは、がんばって嘘をついているように見えて、そうなるとかなりダメである。
ホラを吹く人はもうちょっと魅力的に見えたほうがいいのに、そこは『おむすび』では第一とされていないようだ。
ホラ吹きの本質
https://gendai.media/articles/-/140710?page=2
(略)
※全文はソースで。
なぜ朝ドラは「叩かれやすい」のか…『おむすび』松平健は“もう少し楽しく魅力的なホラ吹きであってほしい”と願うワケ(堀井 憲一郎) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
https://gendai.media/articles/-/140710
2024.11.03
堀井 憲一郎
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Source: 芸能トピ