屈託のない笑顔が愛らしい。目の雰囲気、顔の輪郭、徹さんが目の前に現れたかのような錯覚さえ覚える。
拓弥は両親の影響で、幼少期から演劇の世界を身近に感じて育った。役者の道に進むきっかけは2015年、19歳の時に米国に短期留学し、ブロードウェーミュージカル「レ・ミゼラブル」を観劇。「見る側じゃなくて出る側になりたい」という感情が芽生えたことから。17年春に大学を休学して渡米し、ロサンゼルスの学校で演劇を学んだ。
「同じ授業を選択したエンジニア志望の子に、表現力で全くかなわなくて。分かりやすく挫折しました。ちゃんとお芝居、表現を勉強しないと、という思いが強くなりました」
帰国後の18年2月、文学座本公演「真実」を観賞した。「舞台を見て、腹がちぎれるほど笑ったのは初めて。心を奪われて、文学座を目指すきっかけになりました」。家族に「役者を目指したい」と伝えると、文学座所属の徹さんがそっと差し出したのは、文学座付属演劇研究所の夏のワークショップのチラシ。「“俺の背中を見て育ったな”と、父はニンマリとしていましたね(笑い)」
大学卒業後、19年春に研究所に入所。22年10月まで3年半、研究生として過ごした。「父がいるところに行くのはプレッシャーだったけど、ここを乗り越えられれば、怖いものはないと思って覚悟を決めました。劇団の方々はみんな温かくて、濃密な時間を過ごすことができました」
俳優デビュー作は、徹さんが亡くなる1か月前、拓弥に送った最後のLINEをもとにしたオリジナル作品になる。20年から21年にかけてコロナ禍で活動できない期間が続き、自身は心身共に疲弊。徹さんにLINEで辞める旨を伝えた際に返ってきた言葉が、「今日は一区切りの吉日だな(^^)」だった。
「次に何をするかを考えるのも難しいぐらい、当時は(精神的に)苦しくて。僕にとって、前を向きづらい日じゃないですか。父は(それを分かった上で)新たな出発を意味する『吉日だな』って返事をくれて。『そんなに悩む必要ないぞ』って言ってくれている気がして、肩の荷が下りました」
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10/4(金) 7:00配信
スポーツ報知
亡くなった俳優・渡辺徹さんとそっくりな笑顔を見せる渡辺拓弥(カメラ・頓所 美代子)
https://news.yahoo.co.jp/articles/567a5509fe82e1992287c88e5df92e28b9c01505
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Source: 芸能トピ