そうなんです。渋谷教育学園幕張中学・高校での学校生活はとても楽しかったのですが、「ここに入りたい!」「こうなりたい!」といった目標がないとダメなタイプなのか、新たな目標が見つからず勉強に身が入らなくなりました。思春期も重なり、目立つことも嫌になって……ですから、成績ももちろん目立ちませんでした(笑)。
そうそう、中学時代はラジオにはまって、宿題やテスト勉強をしながら夜な夜な好きな番組を聞いてリクエストのハガキを書いていました。
――勉強への熱意は、どこで取り戻されたのですか?
中3のとき、学校行事で2週間、ニュージーランドにホームステイをしたんです。私にとってとても大きな出来事となりました。お世話になったご家庭は庭に羊がいたり、同じくらいの年齢の女の子が運転してくれる車で(※ニュージーランドは16歳から運転可能)毎日学校に行ったり。日本とは違う世界に目覚めたのです。そこで英語が大好きになりました。
そして、高2では10カ月間、交換留学でニュージーランドに行きました。向こうでは英語で授業を受けるので、もちろん英語を勉強しなくてはいけないし、実際身についていくのが実感できました。現地の学生はもちろん、ドイツや中国、バングラデシュなど、さまざまな国からの留学生との交流も本当に刺激的でした。
すっかり英語が得意になって日本に戻ってきたのは、3年生への進級も目前の時期で、同級生たちも受験モードに切り替わるころ。もともと文系だった私は「受験は英語中心でいこう」と一気にスイッチが入ったのです。
中学受験の時もそうでしたが、友達とみんなで「受験がんばろう!」「あそこに入ろう!」みたいな雰囲気があると一気に燃えるんですね(笑)。そこで私の長い成績“低空飛行期”が終わりました。
高3は受験勉強一色の生活。放課後は自習室で勉強したあと、友達と待ち合わせをして駅に向かいながらの唯一のおしゃべりタイムが楽しみでした。夜中に友達とメールで励ましあったり、「昨日は16時間勉強した」なんて、あえて「やった自慢」を披露しあってやる気を高めあったり。起きている時間はすべて勉強しているといっても過言ではないくらい、勉強したと思います。
“謎の自信”で大学受験をクリア そして→また燃え尽きる
――そして早稲田大学に見事合格されたのですね。
早稲田は、文化祭に行ったとき、学内の雰囲気と大隈記念講堂の時計台に一目ぼれして「ここに行きたい!」と受験を決めました。
とはいえ、なんといっても高2まで「勉強嫌い期」だったので、模試もしょっちゅう「E判定」なんてことも。しかしそれで落ち込むどころか「絶対行ける!」という謎の自信があったんです。まだ本番ではないし、これからだ!なんて。受験勉強では、あまり早く頭に入れてしまうと、試験の時期には忘れてしまう知識もありますよね。なので、つねに「ここからだ!」と思っていました。
無事に合格したときは本当にうれしかったのですが……そこで私はまた燃え尽きました(笑)。合格という目標を達成して、また次になにをしたらいいのかを見失いました。
――また燃え尽きてしまったのですね。
そうなんです。しかも、小学生時代は自信満々の目立ちたがり屋だったのが、中高時代は思春期に突入して「絶対目立ちたくない派」にキャラ変。そのうえ、中高一貫でずっと同じ仲間といっしょに過ごしていたので、人前に立ったり初対面の人と話したりするのがすっかり苦手になってしまったんですね。
「このままでは社会人になれない。なんとかしなくては」という焦りがありました。そこでアルバイトを始めたんです。
アルバイトは「自分を鍛えないとだめだ!」と、あえて苦手なことを選びました。はじめて会う人とお話しするのが苦手といっても、仕事ではそんなことは言っていられません。ですから接客を中心に、パン屋さんや野球場、洋服のショップスタッフ……本当にいろいろなアルバイトをしました。
――きっと、どの場面でもてきばき手際よく働いていらしたのでは……
いえいえ、それが全然(笑)。鈍くさくて皆さんにご迷惑をかけ、申し訳ないと思いながらがんばっていました。
洋服のショップは、自分がお客さんの立場で服を見ているとき、スタッフの方から声をかけられるのがとても苦手だったんです。そこで、あちら側の気持ちを学ぼうと思って。実際に自分がお客さまに勧める側に立つことで、ショップでのドキドキも克服することができました。
野球場では、アイス最中の売り子をやりました。※以下リンク先で
AERA2024.6.23
https://dot.asahi.com/aerakids/articles/-/224881
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Source: 芸能トピ